2016 Fiscal Year Research-status Report
オンライン労働市場における受発注マッチングの動学分析
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16K17139
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Research Institution | International University of Japan |
Principal Investigator |
陣内 悠介 国際大学, 国際関係学研究科, 准教授(移行) (20723456)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | オンライン労働市場 / クラウドソーシング / 差別 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、米国や日本で「クラウドソーシング」と呼ばれるオンライン労働市場が急速に拡大していることを背景に、このようなインターネット上の労働市場において、具体的にどのような仕事が発注され、どのような労働者が受注しているのか、その市場特性と競争メカニズムを分析するものである。現在までにすでに受発注データを収集しており、発注される仕事の多くは先進国から(とくに、米国、カナダ、オーストラリア等)、入札に参加する労働者の多くは開発途上国から(とくに、インド、バングラデシュ、パキスタン等)、であることが分かった。一方で、入札を通じて受注に至る労働者は、必ずしも開発途上国からの参加者ではなく、むしろ先進国の労働者であることも判明した。これは、入札においては、安い値段だけでなく、仕事の品質が重視されることを示しており、面識のない労働者に対するオンライン評価等に価値があることも本研究では実証的に推定した。現在までの研究成果は国内外の学会等で報告しており、同分野の研究者からのフィードバックを受け、現在論文改訂に取り組んでいるところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データ収集と整理・クリーニングを終え、実証的にモデル推定の段階まで終わっている。今後は複数のモデルを推定し結果を比較検討するなど、さらに研究を深めていく予定である。また国内外での学会発表を複数実施しており、そこで得られたフィードバックをもとに、研究改訂に取り組んでいく。
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Strategy for Future Research Activity |
現在より大規模なデータセットの構築に取り組んでいる。また、学会発表時に得られたフィードバックをもとに、推定モデルの改良にも取り組んでいる。
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Causes of Carryover |
今年度はリサーチ・アシスタントの雇用をせずに研究を進めたため、その分の人件費が次年度に繰り越しているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度では、より大規模なデータセット構築およびデータクリーニング等の一部作業のために、リサーチ・アシスタントの雇用を検討している。
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