2017 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on the Size of Hierarchical Medical Service Area Considering the Scale of Economies
Project/Area Number |
16K17142
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
西田 喜平次 兵庫医療大学, 共通教育センター, 講師 (50631652)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 規模の経済性 / 階層的システム / カーネル法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、医療提供システムや宅配便配送システムなど、階層構造を持つシステムの最適階層数や階層ごとの施設数、およびサービス提供基地の配置について、数理モデル分析と実証分析を行うことを企図している。類似した研究として、鈴木、川口(1998)、渡部、鈴木(2000)、Watanabe, Suzuki(2009)は、財の輸送距離に関する規模の経済性と、財の輸送量に関する規模の経済性が、宅配便輸送システムの階層構造が決定される上でどのように作用するか、数理モデルを構築して分析を行っている。本研究は、先行研究を用いて階層型システムにおけるサービス圏域サイズに関する考察を行っているが、サービス供給者間の競争関係をモデルに取り込んでいる点で、既存研究と異なる。 本研究では、一次元空間において二階層を持つシステムを考え、複占的・競争的な供給者が、サービス提供基地の立地を同時に決定するモデルを考える。先行研究と同様に、サービス提供者は、財の輸送距離ならびに、財の輸送量に関する二種類の規模の経済性に直面する。こうした設定の下で、サービスを提供するための平均費用が市場全体で最小化されるようなサービス提供基地の立地点(Social optimum location)と、平均費用最小化に直面した供給者が競争的に決定する基地の立地点(Competitive Location)を求め、比較を行っている。主要な結論として、(1)Competitive Locationの場合、規模の経済性を示すマラメータの組み合わせによっては、立地均衡が存在しない場合があること、(2)Social optimum locationでは起こりえない立地点がCompetitive Locationでは発生すること、が挙げられる。
また実証研究へ向けた統計手法の構築、具体的には、カーネル型回帰推定量の分散安定化に関する研究も行った。
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