2018 Fiscal Year Research-status Report
エジプトの若年失業、スキル・ミスマッチおよび学位インフレに関する分析
Project/Area Number |
16K17146
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
関 麻衣 立命館大学, 経済学部, 准教授 (70771468)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | エジプト / 若年失業 / スキル・ミスマッチ / 学位インフレ / Arab Spring / E-JUST |
Outline of Annual Research Achievements |
前年に引き続き、Economic Research Forumが提供するパネルデータEgypt Labor Market Panel Survey(ELMPS)の一次解析結果を続けた。特に、2018年1-2月に行った出張における関係官庁(Ministry of Manpower, CAPMAS, Ministry of Education and Technical Education, Ministry of Higher Education, JICA Egypt office)からのヒアリングおよび研究者(Prof. Ghada Barsoum of American University in Cairo, J-PAL Egypt, Prof. Gohary of E-JUST, andDr. Roagi of Minnesota University staying at Economic Research Forum)との議論を元に、特に女性の就労に関してjoint labor supply decisionのモデル化を行うことが重要であると確認されたため、その方向で分析を追加した。その他にも女性の就労における社会的倫理観や安全の面で好ましい職場環境とそうでない環境について地域独自の解釈があることが出張を通じて判明したため、それらも推計モデルの中に取り入れる必要が理解され、分析に反映を試みた。ちなみに、これらの地域独自の社会規範は特にpublic sector jobとprivate sector jobに対する求職行動に対し、特に女性の間で大きな差を生む要因となっている。なお、Sim Seung-Gyu教授(青山学院大学)と取り組んでいる関連論文、”Degree Inflation and Hierarchical Labor Demand”は9月にEconomic Modelingからrevision and resubmitの要請が来たため、その作業にも取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
就職活動(4月から7月)と転職(9月)に伴う時間制約によって研究時間が中断されたため、最終年度を1年延長する手続きを行った。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの分析を元に論文をまとめ、8月までに"Analysis of Youth Unemployment, Skill Mismatch, and Degree Inflation in Egypt(仮)"の初稿をJICA-RI Working Paper Seriesに提出し、年度内の発刊を目指す。さらに、9月に再度カイロ出張を行い、分析内容への現地フィードバックを経て、査読付きジャーナル発行へのプロセスを踏む。なお、出張の際にはJ-PALエジプト(協力研究者はUniversity of Illinois Urbana-ChampaignのProf. Adam M Osman)およびJICAエジプト事務所の協力を得て、Ministry of Manpowerのmigrationに関する課題をヒアリングし、さらなる研究課題を発掘してくる予定である。なお、関連論文"Technological Progress and Self-reinforcing Degree Inflation in the Canadian Labor Market"の査読付きジャーナル発刊への作業を引き続き行う。
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Causes of Carryover |
就職活動と転職による時間制約で研究に遅れが出たため。使用計画としてはエジプト出張費と国内での共著者ミーティングや学会・セミナー発表に係る出張費、および論文ドラフトの英文校閲費に支出する予定である。
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