2018 Fiscal Year Annual Research Report
The Collapse of the Bretton Woods system and the IMF
Project/Area Number |
16K17154
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
西川 輝 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 准教授 (30622633)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ブレトンウッズ体制 / 国際収支調整 / 資本自由化 / 国際通貨基金 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ブレトンウッズ体制の変容が国際通貨基金(IMF)の役割に如何なる変化をもたらしたのか歴史実証的に解明することを目的としている。研究期間を通し、ブレトンウッズ体制の形成から崩壊までを国際収支の調整問題に着目して捉え直し、国際収支不均衡への対処をめぐる主要各国とIMFとの政策交渉(IMFコンサルテーション)の実態について史料実証的に分析することで、IMFの政策分析を進めてきた。またその際、OECD等の他の国際機関が果たした役割と比較しながらIMFの政策路線の独自性についても考察を加えてきた。 分析の結果、IMFの経済政策はブレトンウッズ体制期を通しマクロ経済管理による国際収支不均衡の是正を重視する路線だったことが明らかとなった。すなわち、ドル不足が顕著だった1960年代初頭までは、多くの主要国が為替管理によって経常収支不均衡の是正を回避していたがIMFはマクロ経済調整によって不均衡を是正するよう各国に要求した。この政策路線はドル不足がドル過剰へと転じブレトンウッズ体制が崩壊に向かう1960年代後半以降においても一貫しており、OECD等の国際機関が資本自由化を通した経常収支不均衡のファイナンスを許容する路線を志向していくなかにあって、IMF経済政策の独自性をなした。以上、本研究が明らかにしたIMFの政策路線の一貫性は、「ブレトンウッズ体制の変容に伴い対外開放路線へと転じ、その後、金融グローバル化を積極的に主導するようになった」とされる通説的なIMF像を修正するものであり、本研究独自の学術的な貢献である。 最終年度にあたる平成30年度においては、以上の成果の概要を「Evolution of the IMF Economic Policy in the Bretton Woods Era」と題する学術論文へとまとめる作業に従事した。
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