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2017 Fiscal Year Research-status Report

脱連結の組織プロセス:国鉄の長期計画を事例として

Research Project

Project/Area Number 16K17163
Research InstitutionHitotsubashi University

Principal Investigator

坪山 雄樹  一橋大学, 大学院商学研究科, 准教授 (50508645)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords日本国有鉄道
Outline of Annual Research Achievements

今までに得ている国鉄貨物関連の資料に関して、資料の整理という面で大きな進展が見られた。外部の協力を得ながら資料の整理を進め、4000点の資料のひとつひとつが何であるのかを示す目録ができあがった。国鉄貨物局の政策立案のプロセスや、様々な業務における調整のプロセスなどを知る上で大変貴重な資料群である。今後の研究での活用が期待できる。
オーラルヒストリーについては、在外研究中であったため一部の実施を延期し、これまでに行なってきたものの編集作業に専念した。このうち3名の方のオーラルヒストリーが今後発刊予定である。
研究成果の発信という面では十分な成果を得ることができなかった。計画では学会発表を予定していたが、別のプロジェクトの発表を優先させたため、本研究での学会発表を行なわなかった。それを補うべく、今年度滞在していたコペンハーゲンビジネススクールとカーディフビジネススクールの研究者たちからコメントを得るため、再建計画策定のプロセスを分析したワーキングペーパーを作成した。その結果、いくつかの有用なアイデアを得ることができた。脱連結を行なう組織間での相互作用についてのアイデア、より具体的には、脱連結を行なう組織間で脱連結を正当化するようなネットワークが形成され、そのネットワークに埋め込まれた組織は自らの一存で脱連結から抜け出すことが難しい、というアイデアをベースに新たにワーキングペーパーを作成中である。
第1次再建計画の策定プロセスとそれが国鉄内の意思決定プロセスに与えた影響に関する書籍については、最終年度の執筆完了を目指して準備作業を進めている。作業は順調に進んでいるが、その原稿を公表できる段階にはまだない。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

資料の整理という面では、大きな進展が見られた。4000点にものぼる旧国鉄の資料ひとつひとつの分類作業がほぼ終了し、その目録ができあがった。今後の利用が期待できる重要な成果といえる。
書籍の執筆については、最終年度の完成を目指してその作業を進めており、現在までのところ順調に進んでいる。
オーラルヒストリーの実施が海外にいたために遅れている。2名の方にその開始を延期させていただいている。編集作業については順調に進んでいる。
研究成果の発信という点でも、別の海外共同研究を優先させたこともあり、遅れている。これについては、ワーキングペーパーを作成してそれに対するコメントをもらうという形で補うことにした。その結果、いくつかの大変有益なコメントを得ることができた。

Strategy for Future Research Activity

オーラルヒストリーについては、海外滞在中に実施を延期させていたものから順次取り組んでいく。あわせて、オーラルヒストリーの対象者に資料提供のお願いをし、新たな資料の収集に努めていく。
研究の発信に関しては、2017年度に作成したワーキングペーパーを投稿できるレベルまで改訂していくことを目指す。また、整理・分類作業を終えた資料群を用いて、第1次再建計画が実際の設備投資にどのように影響を及ぼしていたのか、第1次再建計画から第2次再建計画へとどのように移行していったのか、といったことを実証的に明らかにし、順次ワーキングペーパーとしてまとめていく予定である。
第1次再建計画の策定プロセスとそれが国鉄内の意思決定プロセスに与えた影響に関する書籍については、2018年度内の執筆完了を目指して作業を進めていく。各章の原稿について学内・学外の研究者からコメントをもらいつつ、完成度を高めていく予定である。

Remarks

Tsuboyama, Yuki, “Multilevel Process of Organizational Decoupling, Working Paper No. 219, Management Innovation Research Center, Hitotsubashi University, 2018.

URL: 

Published: 2018-12-17  

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