2018 Fiscal Year Annual Research Report
Influencing factors of industry commoditization: A text mining approach
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16K17171
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
土橋 力也 愛知学院大学, 経営学部, 准教授 (00588923)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | コモディティ化 / 規格化 / 競争優位 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、製品のコモディティ化をもたらす要因を分析することである。最終年度である今年度は、コモディティ化の概念を製造業だけでなくサービス業へと拡張し、サービスのコモディティ化(規格化)がプラットフォームのデザインと競争優位にどのような影響を与えるのかを分析した。分析では、物流業における求貨求車ビジネス(帰り便のトラックと荷物をマッチングするサービス)の事例をとりあげた。 本研究では、サービスのコモディティ化とは「消費者がサービスで重視する側面が限られている状態(Moazed & Johnson, 2016)」を意味している。求貨求車ビジネスにおいては取引の複雑性と即時性の高さがサービスのコモディティ化(規格化)を阻害していることが明らかになった。そして、このようなサービスのコモディティ化の程度が低い業界においては、市場での取引コストが高くなるために人手を介した「見える手」によるマッチングが競争優位の維持に影響していることを示した。すなわち、コモディティ化の程度によって企業がとるべき戦略が異なり、その両者のフィットがパフォーマンスに影響することを仮説的に提示した。Moazed & Johnson(2016)は、コモディティ化されたサービスを仲介するプラットフォームはユーザー同士の取引をシンプル化することが望ましいと述べているが、本研究の事例分析はこの結果をさらに補強するものであるといえる。 これらの研究結果を、学術論文として発表し、また国際学会で報告した。
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