2018 Fiscal Year Annual Research Report
A choice of product strategy and product architecture by existing companies in matured industry
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16K17172
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Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
向井 悠一朗 高崎経済大学, 経済学部, 准教授 (40738514)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アーキテクチャ / 製品開発 / 造船 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はイノベーション論(アーキテクチャ論、製品開発論、CoPSなど)、国際経済学・経営学(国際分業論、キャッチアップ型工業化論など)の議論を踏まえ、以下2点を検討することを目的としてきた。 ①それぞれ異なる製品戦略を選択して生き残ることができた企業が、どのように製品アーキテクチャを設定してきたのか。 ②先発国企業であっても非先端技術・非高付加価値分野で依然、競争力を持つのはなぜか。 こうした課題を検討するために、造船会社の事例研究、分析を進めてきた。その結果、まず、製品全体レベルのアーキテクチャ選択については、製品のサイズの影響を受ける可能性が考えられた。要約すると、主力製品のサイズが相対的に大型である企業ほど、その製品が使用される環境における特定の補完財に対して擦り合わされた設計が選択される傾向があることが考えられた。一方、相対的に小型を主力とする企業の製品全体のアーキテクチャ選択は、標準設計になる傾向が見られた。すなわち、製品使用環境における補完財に対して、汎用性が重視されていることが考えられた。本年度は、船舶の機関室設計の事例から、製品内部(下位レベル)のアーキテクチャ選択についても、各社の選択を整理した。その結果、相対的に大型の製品あるいは小型の製品を主力とする企業ほど、内部のサブシステムレベルの設計は、製品全体の設計にすりあわせた設計が成される傾向が見られた。その間の、製品全体が中程度のサイズを主力とする企業では、逆に標準的な設計を選択する傾向が見られた。これは中程度のサイズでは、「標準船」と称されることからうかがえるように、製品全体で標準設計を指向するものの、実態としては顧客や使用環境にすりあわせた設計を選択せざるを得ないなかで、一方で量産品としての側面や、コスト低減圧力から、内部設計の標準化を試みる必要があることが反映していると考えられた。
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Research Products
(1 results)