2018 Fiscal Year Research-status Report
中国地場自動車部品企業の競争力構築に関する調査研究
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16K17182
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
金 英善 早稲田大学, 総合研究機構, その他(招聘研究員) (40611067)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 地場自動車部品企業 / 中国市場 / 競争力 / 基軸的Tier1 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、前年度までの収集資料と聞き取り調査資料の分析成果をまとめ、これまで訪問した上海・蘇州企業に対して、補足調査とインタビューを実施した。また、中国現地協力者に協力を得て、電話によるインタビューを有効活用することができた。 そして北京に訪問する機会があり、中国政府及び北京市の自動車部品産業関連政策の最新動向について意見交換をすることができた。 本研究は、中国地場自動車部品企業を事例に、その競争力構築プロセスを分析することを目的とし、当初は研究対象をH社とF社に設定した。研究を遂行するうえで、現地企業聞き取り調査の積み重ねと一次資料作成が必要不可欠であり、如何に研究対象となる企業の協力をえることができるかが一つの重要課題である。H社については、その傘下の部品企業をも含めて積極的なM&Aによる外部資源の獲得、技術力の蓄積過程の事例を複数確認することができた。 しかし、予定していた企業訪問が突然不可能になり、電話によるインタビューに切り替えたこともある。当初H社とF社の2社を対象に、同時並行で研究を進める予定であったが、計画通りに企業訪問を実施できなかったことで、研究対象をH社及びその傘下の部品企業に絞った。このように計画していた聞き取り調査の実施に一部支障が生じ、研究の遂行が遅れてしまった。 また、中国では自動車及び部品産業関連政策の発表と見直しが頻繁に行われている。このような政府政策の変化に加え、部品企業の再編、燃費規制の厳格化、自動運転の開発競争の激化を背景に、本研究を推進する過程で、追加的な研究・調査課題が浮かび上がるのは避けられない。そして、当初の研究計画の仮説に盛り込まれていた4つのキーワードを含め、研究を遂行する過程で方向を多少修正する必要性が出てきたが、報告書の作成段階で反映させる計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初提示したキーワードをもとに事例研究に取り組む過程で、計画していた企業訪問が突然不可能になり、電話インタビューである程度確認はとれたものの、研究の遂行とまとめがやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで行った研究と調査を踏まえ、補足調査とインタビューを実施しながら調査研究成果の取りまとめと文章化に努める。 現地調査においては、中国現地研究者の協力も得ながら十分に調査しきれなかった課題について、順次聞き取り調査を再開する計画である。 調査作業と並行して、中国汽車工業協会、中国交通運輸部及びフォーインの最新データをチェックし、中国政府の政策動向にも引き続き注目しながら、研究対象企業に対して当初提示した仮説と4つのキーワードを中心に、その実相を考察・分析を深める。 同時に、昨年度まで取りまとめた事例研究については、月例研究会で発表することを目標とする。そして、その成果を学会で報告し、最終的な修正と報告書の完成を目指す。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は以下のとおりである。 予定していた企業訪問が突然不可能になったこともあり、電話によるインタビューに切り替えたこと、そして一部の調査を自費で実施したことで、調査旅費を大幅に節減することができた。また、前年度同様中国、日本の各種ソースから基礎データを収集する作業、翻訳作業等をすべて独自で処理することによって、当初予定していた人件費と謝金が発生しなかった。 夏休みを利用して、中国での補足調査を集中的に実施する予定である。また、関連する最新のデータ資料とPCの購入、現地協力者への謝金等に適切に用いる。
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