2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K17185
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
山崎 喜代宏 中京大学, 経営学部, 教授 (40551750)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 製品開発 / 新競争要因創出 / プロセス解明 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、時間の経過とともに多様化していく競争要因に着目をして、新しい競争要因が創出されるメカニズムの論理を構築することを目的としている。新しい製品分を形成するような競争要因が生んだ製品開発事例を取り上げ、どのような開発プロセスのもとで、競争要因が創出されたのかを探索的な分析を行うものである。 計画している研究項目は、以下の3つである。第一に、研究対象産業における製品進化のトラジェクトリーを明らかにすること。第二に、研究対象産業で既存とは異なる競争要因を生み出した製品の開発プロセスを解明すること。第三に、その競争要因を持つ製品のその後の製品展開を分析することである。これまで動態的に捉えられてこなかった新競争要因の創出プロセスを解明することで、コモディティ化に苦しむ産業・企業にとって有効な示唆を得ることが期待される。 本年度は、研究項目の二番目の研究対象産業で既存とは異なる競争要因を生み出した製品の開発プロセスを解明することを中心に研究を進めた。これまでは、製品の基盤技術の非保有をいう観点から、製品開発プロセスを考察してきたのだが、本年度は、その視角のみではなく、より一般性の高いかたちで議論を行えるように、組織特性であったり、技術由来であったり、幅広い観点を包含して、新競争要因の創出プロセスを考察した。その結果を学術論文として公表した。また、中小企業向け、一般向けの情報誌に、これまでの研究成果の一部をわかりやすく短く紹介するアウトリーチ活動も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究において、計画している研究項目は、以下の3つである。第一に、研究対象産業における製品進化のトラジェクトリーを明らかにすること。第二に、研究対象産業で既存とは異なる競争要因を生み出した製品の開発プロセスを解明すること。第三に、その競争要因を持つ製品のその後の製品展開を分析することである。 本年度は、3つの具体的な研究項目のうち、とくに第二の研究項目について、研究を遂行した。その結果、新競争要因を創出した製品として、家庭用据置型ゲーム機産業の任天堂を取り上げ、特に「Wii」の開発に焦点を当てて、その開発プロセスを詳細な分析を行った。そのなかでは、産業における基盤技術を保有しないことを起点としながらも、さまざまな要因、例えば組織特性であったり、要素技術の吸収であったり、多様な観点も含めた上で、そのプロセスを解明することができた。 また、第二の研究項目については、これまでとは異なる特徴を持つ事例を今後行う予定である。 加えて、第三の研究項目については、事例としての目星はついているので、来年度以降に研究活動を行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、時間の経過とともに多様化していく競争要因に着目をして、新しい競争要因が創出されるメカニズムの論理を構築することを目的としている。新しい製品分を形成するような競争要因が生んだ製品開発事例を取り上げ、どのような開発プロセスのもとで、競争要因が創出されたのかを探索的な分析を行うものである。 そして、具体的な研究項目として、以下の3つを挙げている。第一に、研究対象産業における製品進化のトラジェクトリーを明らかにすること。第二に、研究対象産業で既存とは異なる競争要因を生み出した製品の開発プロセスを解明すること。第三に、その競争要因を持つ製品のその後の製品展開を分析することである。 今後の研究は、第二と第三の研究項目を中心に行っていくこととなる。第二の研究項目については、単一企業が、同一の製品分野において、複数回競争要因を創出した事例を取り上げることにしたい。これまでの先行研究や本研究において、単一企業は一度のみ競争要因の創出を行う事例を取り上げてきた。しかし、複数回にわたって転換している事例があるため、そのロジックを考察することで、研究の幅が広がり、論理の頑強性が上がり、そこから得られる示唆も豊富なものとなるであろう。 また、第三の研究項目については、第二の研究項目で取り上げる事例を拡張して研究することで、問題の解決が図れるのではないかと考えており、研究を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
理由:パソコンを購入する予定であったが、海外学会への参加・研究発表を優先した結果、未使用額が生じた。 使用計画:来年度以降、耐用期間が過ぎたパソコンの更新に使用したい。
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Research Products
(4 results)