2017 Fiscal Year Research-status Report
大学発ベンチャーの成功における発明者の関与に関する研究
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16K17193
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
牧 兼充 早稲田大学, 商学学術院(経営管理研究科), 准教授 (60348852)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 大学発ベンチャー企業 / 発明者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ベンチャー企業の成長に応じたステージ別のモデルを導入することにより、大学発ベンチャーの成功 における発明者の関与メカニズムについて検証を目的として28年度にスタートした。大学発ベンチャー企業における発明者の創業 チームメンバーとしての関与は、学術的にも実務的にも重要な研究課題の一つである。ベンチャー企業の成功指標として組織としての生存及びエグジット(株式市場への公開もしくはM&A)を用い、SBIR補助金の獲得、ベンチ ャーキャピタルによる投資、製品出荷を中間変数(マイルストーン)として用いる。サバイバル分析 (定量分析)及びインタビュー調査(定性分析)を行う、などを目的としてきた。
平成29年度は、前年度の定量分析の深掘りと、インタビュー調査を中心に以下の項目について実施した。 データの分析(各イベントの時系列の分析) / データの分析(産業セクター別の分析) / データの分析(研究費別 の分析) / データの分析(性別及び人種による差の分析) / 検証のための企業インタビュー / 成果のとりまと めと論文の執筆、。インタビュー調査にあたっては、以下の質問項目項目について調査を目的とした。発明者の所属、バックグラウンド (ビ ジネス経験の有無) / 創業者の所属、バックグラウンド(ビジネス経験の有無等)/ 創業チームをどのようなプ ロセスで形成したか / 発明者のベンチャー企業への創業者以外の立場での関与 / 発明者のベンチャー企業への 関与の大きさ (兼職の有無、週あたりのコミットの時間等) / ベンチャー企業のマネジメントチームの変遷 / 発明者の関与のSBIR獲得への影響 / 発明者の関与のベンチャーキャピタルからの投資への影響 / 発明者の関与 の製品出荷への影響 / 発明者の関与における大学の制度(利益相反規定、休職制度)の影響の有無
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度を踏まえ、定量分析の実施にあたっては、以下の仮説の検証を行ってきた。 (H1a)大学発ベンチャー企業における発明者の関与は、ベンチャー企業の生存確率を高める。(H2a)大学発ベンチ ャー企業における発明者の関与は、ベンチャー企業のエグジットの確率を高める。(H1b)SBIR補助金の取得は、 発明者の関与のベンチャー企業の生存確率の向上への影響を媒介する。(H2b)SBIR補助金の取得は、発明者の関 与のベンチャー企業のエグジットの確率の向上への影響を媒介する。(H1c)ベンチャーキャピタルからの投資は 、発明者の関与のベンチャー企業の生存確率の向上への影響を媒介する。(H2c)ベンチャーキャピタルからの投 資は、発明者の関与のベンチャー企業のエグジットの確率の向上への影響を媒介する。
その後、29年度の進捗状況については、先に述べた通りであり、順調に進んでいる。しかしながら、トップジャーナルへの採録のための先行文献のレビュー、理論構築の面において、さらなる作業が必要であることが明確となった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、ベンチャー企業の成長に応じたステージ別のモデルを導入することにより、大学発ベンチャーの成功 における発明者の関与のメカニズムについて検証するものである。大学発ベンチャー企業における発明者の創業 チームメンバーとしての関与は、学術的にも実務的にも重要な研究課題の一つである。ベンチャー企業の成功指 標として組織としての生存及びエグジット(株式市場への公開もしくはM&A)を用い、SBIR補助金の獲得、ベンチ ャーキャピタルによる投資、製品出荷を中間変数(マイルストーン)として用いる。カリフォルニア大学発ベンチ ャー企業データセット(2000年以降の特許ベースの全ベンチャー企業が含まれている)を用いて、サバイバル分析 (定量分析)及びインタビュー調査(定性分析)を行う。 以上のように、本研究で当初想定した分析結果は完了しているが、トップジャーナルへの採録のためには、先行文献のレビュー、理論構築の面において、さらなる作業が必要であるとの結論に至った。本研究を次年度に延長することにより、理論をさらに精密化し、トップジャーナルへ投稿する。具体的には、2018年夏までを目処に、組織学会もしくは日本ベンチャー学会への投稿を目指す。
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Causes of Carryover |
本研究で当初想定した分析結果は完了しているが、トップジャーナルへの採録のためには、先行文献のレビュー、理論構築の面において、さらなる作業が必要であるとの結論に至った。本研究を次年度に延長することにより、理論をさらに精密化し、トップジャーナルへ投稿する。具体的には、2018年夏までを目処に、組織学会もしくは日本ベンチャー学会への投稿を目指す。 具体的には、先行研究のレビューのための情報整理の人件費などに予算をあてる。
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