2016 Fiscal Year Research-status Report
商業者の実践に基づく基礎理論の展開:参与観察およびライフストーリー調査の併用
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16K17195
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
松田 温郎 山口大学, 経済学部, 准教授 (60632693)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 品揃え / 商品取扱い技術 / 商人家族 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、参与観察およびライフストーリー・インタビューを通じて、商業研究の基礎概念である品揃えおよび商品取扱い技術、商人家族概念を精緻化することである。 実施1年目の主な研究計画は文献調査および現地調査であった。文献調査については、当初予定した商業研究(主に地域小売業と流通政策)および方法論研究(主にエスノグラフィーとライフストーリー)に関する文献について整理することができた。現地調査(学会発表含む)については、当初予定していた兵庫県の青果店2店において実施し、合計11回の調査を実施することができた。 これらを踏まえ、文献調査を基にした学会発表を2回(日本商業学会および実践経営学会)、現地調査を基にした学会発表を1回(日本商業学会)行うことができた。さらに、科研費採択前からの調査結果を含んではいるが、研究書を2冊(単著および分担執筆)、論文を3編(ともに共著)発表した。以上の実績から、研究計画は順調に実施できていると判断することができる。また、これらの研究を実施する上で、連携研究者である渡邉孝一郎および地頭所里紗と研究会を実施し、それぞれの専門的な知見から適宜貴重な助言を受けた。 また、直接的な研究業績として整理されているわけではないが、各調査で得られた知見をフィールドノーツに記録しており、今後の発展が期待される断片的な情報が集められていること、そして事前に計画した調査が順調に実施されていくなかで今後より注意して観察およびインタビューすべきことが明確になってきたことも貴重な実績のひとつである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画通りの文献調査および現地調査を実施することができた。当初の計画では、初年度は学会発表1回、論文1編を予定していたものの、実際には学会発表3回および論文3編、学術図書2冊を発行することができた。以上の点から、当初の計画以上に進展していると判断することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画を順調に実施できている。また、研究の計画を変更しなければならない問題等は発生していない。よって、今後の研究は当初の計画を前倒しで進めていくことで当初の計画以上の研究業績を発表することを目指す。
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Causes of Carryover |
185円の残額が生じた。これは物品費の予算執行に伴う依頼額と契約額との差額から生じたものである。当該残額が生じた時点で予算執行期限を過ぎていたことから、翌年度に繰り越すことになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当該予算は次年度の物品費の予算として使用する。
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