2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of basic theory based on the practice of local merchant
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16K17195
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
松田 温郎 山口大学, 経済学部, 准教授 (60632693)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 品揃え形成 / 商品取り扱い技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の課題は、「品揃え」および「商品取扱い技術」、「商人家族性」の理論展開である。これらは商業研究の基礎的な概念であり、その展開は商業研究の発展に寄与する重要な研究課題のひとつであるとともに、関連領域への波及効果も期待できるものである。調査方法は参与観察およびライフストーリー調査を採用し、経営者だけではなく調査対象店舗の全従業者にまで調査を拡大している。 2019年度は、これまでの調査結果を整理し、学会発表および論文投稿などの研究成果の公表を集中的に行った。特に関心をもって整理した内容は、品揃えと商品取り扱い技術の概念間関係の整理、創業期における商品取り扱い技術の初期保有とその後の熟達、商人家族化が成しえる新たな熟達領域の展開である。これらの点について、それぞれの概念間関係の整理やメカニズムの検討をし、一定程度明らかにすることができた。特に、競争優位となりうる商品取り扱い技術を習得するには、商人としてのアイデンティティの形成もしくは商人家族化のいずれかの経路を踏まえなければならないという理論仮説を得ることができた。しかし、この仮説は現時点では不明確な点があるため、さらなる理論的精緻化と実証的な調査・分析が必要である。 これらの成果として、2019年では、学術論文2編、その他論文4編、学会発表2件、講演1件を実施することができた。学術的な研究成果を発表するだけでなく、業界誌からの依頼原稿や商工会議所での講演など、広く研究成果を発信できたことが貢献の一つである。
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