2018 Fiscal Year Research-status Report
ケース・スタディに基づく日本的予算管理の研究―資源再配分メカニズムに着目して―
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16K17209
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| Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
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Principal Investigator |
足立 洋 県立広島大学, 経営情報学部, 准教授 (60585553)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | 予算 / 目標 / 計画 / 不確実性 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2018年度の研究実績としては，第一に，新たなリサーチ・サイトとして，複数の企業が合併して成立しているグローバル大企業A社を確保した。現在，本研究課題の研究のさらなる展開を目指して，同社でのインタビュー調査を実施している。
第二に，本研究課題における研究成果論文の一つとして，「予算管理における環境変化への適応：計画修正に伴う新たな問題とは？」（『企業会計』70(12)：pp.6-7）を執筆し，公表した。同論文は，本研究課題の研究テーマである，予算の期中修正における経営資源の再配分の仕組みについて考察した先行研究のうち，代表的な海外文献をレビューしたものである。それによれば，計画設定の側面を見れば，実務においては期中の予算見直しやローリング予算の活用などにより環境変化への迅速な適応が図られている。とはいえ，目標の変更は管理者の目標達成意欲低下に結びつく可能性があるため，この問題に関する配慮の必要性も認識されていると考えられる。
また，この論文において明らかになった，当該領域の今後の研究課題としては，ケース・スタディなどの方法を活用した予算管理プロセスのさらなる精査・分析が必要であることが挙げられる。例えば，計画としての予算と業績評価のための予算が分離された場合，管理者がどちらの達成に向けてどのように動機づけられるのかという問題がある。また，当初予算目標の達成と柔軟な計画変更を同時に管理者に求める場合，それらのバランスはどのようにとられ，成果はどのように評価されるのかという問題も今後検討が必要であることも明らかになった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題においては，「経営者が事業環境の変動の激しさを認識し，それに対応するために期中に資源配分の見直しを行っている複数の日本企業においてケース・スタディを行う」ことを計画の趣旨としていた。が，リサーチ・サイトとの予定の調整などに期日を要したため，本研究課題にかかわるインタビュー調査を十分に行うことができなかった。
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| Strategy for Future Research Activity |
2019年度には，本研究課題にかかわるインタビュー調査を実施してきたリサーチ・サイトB社において，新たな調査を実施することができた。その中では，これまでの調査において十分に確保できていなかった新たなデータを入手することが可能になった。そのため，このデータを活用しながら，本研究課題の成果を体系的に整理することが可能となると思われる。この作業を2020年3月完了を目途として進める予定である。
また，前述のように，2018年度には新たなリサーチ・サイトA社も確保することができた。同社でのインタビュー調査で得られたデータも，本研究課題における研究成果の体系化プロセスにおいて活用する予定である。
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| Causes of Carryover |
前述のように，2018年度にはインタビュー調査日程の確保が難航したため，調査の頻度が計画を大幅に下回った。
一方，2019年度にはB社における新たな調査が実現したことに加え，A社での調査によるデータの補完が可能になった。A社については，今後も定期的に調査を進めていく予定である。そのため，A社の調査に要する旅費交通費（海外調査：ヨーロッパ方面へ1回，国内調査：関東方面に1～2か月に1回程度）を当該研究費から支出する予定である。加えて，同社調査とB社での調査内容を統合した研究成果については，各地で開催される学会・研究会にて報告し，他の研究者からのフィードバックを受けて洗練していく（2か月に1度程度）。このため，この学会・研究会に参加するための旅費交通費を当該研究費から支出する予定である。
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Research Products
(1 results)
