2019 Fiscal Year Annual Research Report
A theoretical and empirical study of the impact of innovation creation on organizational performance in the service industry
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16K17210
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
関谷 浩行 北海学園大学, 経営学部, 准教授 (50734505)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | インタンジブルズ / イノベーション / サービス業 / 病院 / 医療 / 管理会計 / マネジメント・コントロール / 経営戦略 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,マネジメントコントロール・システム(MCSs)の視点から価値創造に資するインタンジブルズが組織業績にどのような影響を与えるかについて検討した。具体的には,以下の2つのサブテーマに関する研究を遂行した。 第1のサブテーマは,インタンジブルズが企業価値に与える影響について検討した。経営戦略が異なれば,企業価値に貢献するインタンジブルズも異なる(Kaplan and Norton, 2004)。伊藤・関谷(2016)は,インタンジブルズと企業価値の関係性モデルに経営戦略タイプ(Miles adn Snow 1978)とMCSsを取り込んだ新たなフレームワークを提案した。東証一部上場企業(1,386社)を対象とした郵送による質問票調査を行った(有効回収数149社)。分析の結果,探索型企業は,レピュテーションが企業価値に与える影響は小さいこと,また,新たな市場の開拓を目指す傾向にあることが示唆された。一方,防衛型企業ではイノベーションは企業価値に与える影響は小さいこと,また,既存の市場・顧客を維持するためにレピュテーションを重視する傾向にあることが示唆された。 第2のサブテーマは,サービス業のうち主に病院を対象にした管理会計システムの実態について検討した。具体的には,病院の管理会計システムを把握するための郵送による質問票調査およびインタビュー調査を実施した。本研究では,12のマネジメント・システムを調査し,事業計画(66.1%),予算管理(57.1%),目標管理(37.8%),設備投資計画(33.9%),方針管理(29.2%)の順で導入率が高かった。民間企業と比較した場合,民間企業ではバランスト・スコアカードの導入率は7.9%から9.5%程度しか導入されていないが,病院では22.7%という高い導入率であることが明らかになった。
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