2022 Fiscal Year Annual Research Report
Empirical Analyses of Earnings Management before Securities Issue
Project/Area Number |
16K17211
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
山口 朋泰 中央大学, 商学部, 教授 (50613626)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 利益マネジメント / 会計的裁量行動 / 実体的裁量行動 / 証券発行 / 産業平均利益率 / 内部統制報告制度 / 保守主義会計 / 利益平準化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,オーストラリアのエクセルシア大学のIan Eddie教授との共著であるワーキング・ペーパー「Accounting Conservatism and Income Smoothing after the Japanese Sarbanes Oxley Act」を再度改訂し,国際的な学術誌に投稿した。本研究では,2009年施行の内部統制報告制度により,日本企業において会計上の保守主義の傾向が増大し,利益平準化行動が減少したという研究結果を提示している。
研究期間全体を通じて,当初の研究計画よりも大きな成果を挙げることができたと言える。具体的には,公募増資,普通社債発行,転換社債発行が経営者の利益マネジメント行動に及ぼす影響のみならず,内部統制報告制度が利益マネジメントに与える影響や,産業平均利益率や連続増益を達成するための利益マネジメントの解明など,利益マネジメント行動を様々な観点から明らかにすることができた。
企業経営者の利益マネジメント行動は,会計上の操作による「会計的裁量行動」と事業活動の操作による「実体的裁量行動」に分類できるが,本研究の大きな意義として会計的裁量行動だけでなく,実体的裁量行動にも焦点を当てたことがある。実体的裁量行動は会計的裁量行動と比べて研究の蓄積が少ないため,実体的裁量行動を様々な側面から解明した本研究は利益マネジメント研究に大きな貢献を果たすものである。また,実体的裁量行動は通常の経営活動から逸脱した行動であるため,企業価値を毀損する恐れがあると指摘されており,その意味でも当該行動を多面的に解明した本研究の重要性は高いと言える。
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