2017 Fiscal Year Annual Research Report
Prehistory of attribuition concept as a basic concept of social sciences: From early studies of Fritz Heider
Project/Area Number |
16K17232
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
梅村 麦生 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(PD) (70758557)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 帰属理論 / 社会系心理学 / 社会学 / 社会科学史 / フリッツ・ハイダー / アレクシウス・マイノング |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は前年度に引き続き、まず本研究課題に関わる資料収集を追加で行った。特にフリッツ・ハイダーの未公刊の資料を閲覧するために、夏期にアメリカのカンザス大学附属ケネス・スペンサー研究図書館(カンザス州ローレンス)を訪問し、同図書館に寄贈されて設立されたフリッツ・ハイダー・コレクション(Fritz Heider Collection: Personal Papers of Fritz Heider, 1907-1983)を閲覧した。同コレクションには、ハイダーのオーストリア在住時から晩年までのさまざまな草稿、文書、手紙、論文、また他の研究者の論文が所蔵されており、その概要に関するリストを作成した。本研究課題にとって重要なものとしては、学位論文「感覚質の主観性について」(1920)および「物とメディア」(1926)の原稿や下書き、文献リスト、自伝(1983)などの草稿が所蔵されており、内容を確認することができた。特に「感覚質の主観性について」と「物とメディア」の知覚の《因果帰属》に関わる議論について、あらためてアレクシウス・マイノングの影響に加えて、同時代の自然科学の用語や考え方を参照しており、論理実証主義などの自然哲学・科学哲学の議論と地平を共有していることが確認できた。 以上の研究経過に関して、日本社会学史学会第57回大会と、ニクラス・ルーマン研究会第18回例会で研究報告を行った。その後、フリッツ・ハイダーの帰属概念に関わる学説研究と、「感覚質の主観性について」および「物とメディア」に関わる学史研究について、成果論文を学術誌と紀要に投稿しており、また本研究課題に関わる翻訳論文を学術誌にて公刊する予定である。
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Research Products
(2 results)