2017 Fiscal Year Research-status Report
リニア・インパクトを見据えた都市戦略―名古屋駅の再編をめぐるまちづくり体制の構築
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16K17235
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| Research Institution | Nagoya City University |
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Principal Investigator |
林 浩一郎 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 准教授 (80736645)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | エリアリノベーション / リニアインパクト / 地域開発 / 都市再生 / 地域社会学 / ライフヒストリー / 名古屋駅 / 新自由主義 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
名古屋駅のリニア中央新幹線開業まで、10年となった。この10年で名古屋駅西側の企業構成も地域社会も、大きく変わる。この地のローカルレベルの主体が、いかなる意志を持ち、いかなるアクションを起こすか。「駅東」とは違う「駅西」の魅力を残しつつ、持続可能な発展をとげるには、この地域主体のこれから数年の動向が極めて重要である。本研究では、駅西が、リニア開発に対峙するために、どのような「まちづくり体制」を構築するかを探究してきた。
本研究室は、「駅西銀座通商店街」と「太閤まち協（椿町）」の媒介となり、駅西の遊休不動産や潜在資源を活用する「エリアリノベーション」を引き起こし、「駅西」の新たなまちづくり戦略を構築、実践することを目指した。「駅西まちづくり会議」を定期開催し、エリアリノベーション戦略を議論した。
その会議・取組の成果は、2017年12月中村区役所にて開催した「第4回リニア・シンポジウム」で一般公開した。ひとつは、駅西銀座通商店街を中心としたエリアリノベーション。もうひとつは、椿町に出現するリニア駅上部空間のパークマネジメントだった。本シンポジウムをもとに『リニア駅上部空間をめぐるパークマネジメント戦略――名古屋駅西におけるエリアリノベーションの可能性』をまとめた。
これらの研究成果を基に、地域社会学会例会、愛知大学人文社会学部ワークショップ、名古屋市立大学市民公開講座、サイエンスカフェなどで成果報告を行った。さらに、エリアリノベーション研究の成果を応用し、『郊外社会の分断と再編――つくられたまち・多摩ニュータウンのその後』を出版した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「駅西まちづくり会議」を定期開催し、その集大成として「リニア・シンポジウム」を開催し、100名近い参加者があった。その中から、多くの地域の実践者、行政職員とのつながりができ、問題意識を共有できた。
また、本プロジェクトを「社会調査実習」とも連動させ、教育にも波及効果があった。地域研究・調査教育・社会貢献を連動させ、それなりの成果が出た。
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| Strategy for Future Research Activity |
駅西地区を動かすような、各アクターが共有する「まちづくり戦略」ができたとは言えない。今後も多様な地域のアクターを巻き込みながら地域実践をする必要がある。
10年後のリニア開通を見据え、エリアリノベーション戦略を立てながらも、筆者は名古屋駅西のモノグラフ研究を構想している。調査研究と実践の往復のなかで、<都市空間>と<地域主体>のネオリベラル化の相互作用を考察していく必要がある。
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