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2017 Fiscal Year Research-status Report

医師の年次有給休暇未取得問題

Research Project

Project/Area Number 16K17251
Research InstitutionMatsuyama University

Principal Investigator

井草 剛  松山大学, 経済学部, 准教授 (80723692)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords医師の柔軟な働き方 / バンコクの病院調査
Outline of Annual Research Achievements

■平成29年6月 第65回関東社会学会大会  『医師社会の特異性からなる年休未取得の構造』
○井草 剛(松山大学) 水野勝之(明治大学)
医師の病院に対するコミットメントが「年休を取得しない」ではなく、「年休を取得できない」という認識に変わってきており、本研究では、医師社会の「特異性」に注目する立場から、医師の個人属性と年休取得の直接的・間接的な因果関係を共分散構造分析を用いて分析した。
■平成29年9月 第91回 日本社会学会大会 『医師の個人属性と年休取得の因果関係に関する考察』
◯松山大学 井草剛  明治大学 水野勝之  松山短期大学 竹田英司
分析データは、医療系モニターのうち、全国の病院に勤めている医師を対象(医院・診療所の院長は除外)にインターネットを用いて実施したものである。これを用いて、第1に、変数クラスター分析から、医師の個人属性等を適切な群に分類し、これらの群を潜在変数とし、第2に、共分散構造分析を用いて、観測変数とこれら潜在変数と年休取得には、どのような因果関係が成立しているのかについて、分析を行った。データ分析の結果(必ずしも全てが明確なものにはならなかったが)、マイナスの個人属性(医師不足、職場環境悪いなど)→長時間労働→年休未取得という一連の因果の方向が明らかになった。さらに直接効果(マイナスの個人属性→年休未取得)よりも間接効果(マイナスの個人属性→長時間労働→年休未取得)の方が大きいことが確認された。分析結果から、医師の長時間労働の解消が年休取得に繋がる側面があることが浮かび上がった。ここから、政策的提言の1つとして、「医師の柔軟な働き方」を、2016年から行ったバンコクの病院調査の研究蓄積を織り込みながら説明・提示した。(第65回関東社会学会大会での議論を軸に研究を深化させたものである)

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

質的調査分析及び量的分析ともに当初の研究実施計画通りの進捗状況である。平成28年度に引き続き他国の調査を実施し、国際比較を行い、日本の医師の「年休未取得」の性格を明らかにし、年休未取得の要因を抽出できた。この要因を平成30年度に実施するアンケート調査の質問項目に組み込む予定である。

Strategy for Future Research Activity

本研究課題の今後の推進方策
エムスリー社とマクロミルが共同展開する医師を対象としたリサーチサービスを利用し、年休に関するアンケート調査を実施する(サンプルサイズ:500)。この調査分析により、医師社会の特異性からなる医師の年休未取得の複雑な構造を明らかにする。そして、これまでの質的・量的な調査分析からどのような課題が日本の医師の年休未取得にあるのかを明らかにし、年休取得促進策を提示する。

研究を遂行する上での課題等
エムスリー社とマクロミルが共同展開する医師を対象としたリサーチサービスを利用するにあたり、医師一人当たりの調査料金が高額なため予算を超える可能性がある。この場合、代替可能な調査会社を適切に模索する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2017

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 医師社会の特異性からなる年休未取得の構造2017

    • Author(s)
      井草剛 水野勝之
    • Organizer
      第65回関東社会学会大会
  • [Presentation] 医師の個人属性と年休取得の因果関係に関する考察2017

    • Author(s)
      井草剛 水野勝之 竹田英司
    • Organizer
      第91回 日本社会学会大会

URL: 

Published: 2018-12-17  

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