2016 Fiscal Year Research-status Report
スクールソーシャルワーカーの教育現場における困難克服プログラムの開発
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16K17261
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
厨子 健一 (厨子健一) 奈良教育大学, 教育学部, 特任准教授 (40734489)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | スクールソーシャルワーク / 教育現場における困難 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,インタビュー調査による困難と困難克服方法のケーススタディ,困難克服方法と成果(アウトカム)との関連をみて,スクールソーシャルワーカーが教育現場で遭遇する困難を克服するプログラムを開発することである。 平成28年度の計画は,①教育現場における困難についての枠組みを作成するために,国内外のスクールソーシャルワーク文献を分析すること,②先行研究の分析と並行して,スクールソーシャルワーカーへのインタビュー調査を実施すること,以上2点であった。 今年度において,ケーススタディに向けた分析枠組みの構築にむけては数多くの先行研究を渉猟する必要があるため,①を中心に研究を進めた。①では,スクールソーシャルワークに関する国内外の学術雑誌,「学校ソーシャルワーク研究」「Children & Schools」「School Social Work Journal」を対象とし,教育現場における困難をキーワードに先行研究の分析を実施した。②では,現場のスクールソーシャルワーカーにプレインタビューを実施し,設定した枠組みにまつわる困難があるのかについて確認を行った。 結果として,教育現場における困難をとらえる際,①スクールソーシャルワーク制度,②学校組織という2つの点から検討する必要性を見出した。また,プレインタビューでは,スクールソーシャルワーカーは,制度にまつわる課題,学校組織に入っていくむずかしさを抱えていることを明確にした。次年度は,制度上の課題,学校組織という福祉とは異なる現場だからこその課題を踏まえた上で,インタビュー調査を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画のとおり,スクールソーシャルワーカーの教育現場にまつわる困難に関する先行研究の分析を実施した。また,教育現場で活動する際,スクールソーシャルワーカーは福祉とは異なる教育領域だからこその困難があることを公表することができた。しかしながら,国内での研究蓄積が少ないことから,国内外の膨大な文献を渉猟したため,本インタビュー調査ができず,プレインタビュー調査にとどまった。やや遅れているものの,確実な枠組みの構築を行うことができた点では,順調に研究が行うことができているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
困難・困難克服方法に関するインタビュー調査を,スクールソーシャルワーカーに実施する。今年度明確化された枠組みにそって,困難および困難克服方法について聞き取りを行う。
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