2016 Fiscal Year Research-status Report
ホームレスや元ホームレスと生活保護制度の接点に関する実証的研究
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16K17266
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
大岡 華子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (90647249)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ホームレス / 路上生活 / 生活保護 / 社会保障 / 社会福祉 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ホームレス状態にある人やホームレス状態にあった人々が生活保護制度どのような接点をもっている(いた)のかを明らかにする。具体的には、下記の3種類の調査を実施し、その成果について分析を行う。 まず、生活保護受給者やホームレスの支援に携わっているNPO等を訪問し、ホームレスや元ホームレスの実態や彼らの抱える生活課題について全体像を明らかにする(「調査①」)。同時に一般の人々、例えば高校を卒業した学生が生活保護制度や社会福祉・社会保障の窓口を知っているのかどうか、「社会保障に関するアンケート調査」の調査項目を参照し、アンケート調査を行う(「調査②」)。本研究の対象者に半構造化面接を行い、彼らがどのような課題を抱え、どのような背景でそのようなホームレスや生活保護受給に至ったのか、生活保護に対する考えなど、ホームレスや元ホームレスの声を通して、その状況を明らかにする(「調査③」)。 平成28年度は、生活保護受給者やホームレスに関わる文献や調査報告書を批判的に検討した上で、それぞれの調査目的や調査項目を明確にしていった。学内の倫理審査を申請し(「調査①・③」)、許可を得て、ホームレス支援や生活保護受給者の支援を行っているNPO等に調査(「調査①」)協力の依頼をし、同意を得た上で、ホームレスや元ホームレスの人々の抱えている生活課題や生活保護との接点について、支援者側に対して調査を実施した。「調査①」を踏まえて、「調査③」の目的や調査項目の検討を進めた。 同時に、一般の人々の社会保障制度の知識に関わる論文や報告書を批判的に検討し、大学生に対する社会保障制度に関するアンケート調査における調査(「調査②」)目的や調査項目を明確にし、大学内の倫理審査の申請をし、調査の許可を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね計画通りに実施できているが、先行研究の分析やNPOの支援者への調査についてはさらに深める必要性を認識したため平成29年度も継続して行う
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度に得られた成果を基にして、まず4・5月頃に②大学生に対する社会保障制度に関するアンケート調査を実施する。その結果を統計的に処理、分析をし、得られた結果を取りまとめ、学内の紀要等に投稿をする。 ホームレス支援を行っているNPO等への訪問調査(「調査①」)で得られた結果を踏まえ、「調査③」を実施する。対象者調査で得られた結果を整理・分析し、社会福祉系の学会にて学会報告を行う。 上記3つの調査結果を踏まえ、その特徴や相違点を比較し、報告書にまとめる。報告書の作成にあたっては、適宜研究会等で報告を行い、他の研究者の意見を取り入れながら作成を行っていく。合わせて先行研究についてもまとめ、それを踏まえた考察・分析を行っていく。
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Causes of Carryover |
パソコンの購入を予定していたが、必要な機能が備わったパソコンが予定よりも安く購入できたため、予定より支出が少なくなった。図書についても関連する領域の本で必要な本が予定よりも少なく、支出が少なくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、テープ起こしやデータの集計があるため、人件費が多くなることが見込まれるため人件費等で支出予定である。図書についても、関連する領域の文献を多く購入し、研究に活かす予定である。
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