2019 Fiscal Year Annual Research Report
Making community hubs for elderly people in a super aged society -For the purpose of establishing Community-based integrated care systems-
Project/Area Number |
16K17271
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Research Institution | Hokkaido University of Science |
Principal Investigator |
福田 菜々 北海道科学大学, 工学部, 准教授 (70554731)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 超高齢社会 / 地域包括ケアシステム / 高齢者 / 居場所 |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会に突入した日本では、可能な限り住み慣れた地域における高齢者の自立生活支援を目的とした地域包括ケアシステムの構築を推進している。本研究では高齢者が気軽に集える居場所を運営する団体等への実地調査を通して、地域に存在する居場所が高齢者の幸福感に与える影響、および地域の高齢者へ向けた包括的な支援・サービス(地域包括ケア)のあり方や運営手法を明示することを目的とした。 武蔵野市内8カ所に点在する高齢者の居場所で行った調査では、およそ半径1キロ圏内に1施設あることで利用者の70%が徒歩で通うことができ、自宅からの近接性が高齢者の外出を促し、自立生活や地域住民との繋がり・交流の維持に貢献していることが明らかとなった。また、施設利用者の主観的幸福感は標準より高く、特に老いに対して前向きに捉えている人が多い傾向が見られた。 一方、住み慣れた地域での自立生活の継続と同義の考え方である「エイジング・イン・プレイス」が浸透しているアメリカにおいて、市営のシニアセンターが高齢者の良き居場所となっている。3つのシニアセンターで行った調査では、日本の調査結果同様、施設利用者の主観的幸福感が標準より高く、自分自身および日常生活についてある程度満足し、また老いに対する捉え方も肯定的であることが明らかとなった。 両調査の結果から、近接性の高い居場所は高齢者にとって外出の機会の増加および介護予防に役立つ「通いの場」であり、また社会との「接点・交流の場」として機能し、さらには高齢者の幸福感や老いに対して好影響をもたらしていることが明らかとなった。 運営に関しては、その地域の実情を熟知した地元住民を含んだ団体が行うことで、住民のニーズを早期に発見し、柔軟な方法でサービスを提供することが可能であるといえ、利用者の声を適宜聞き入れ、より良いサービス・支援のあり方を検討し、施設運営に活かすことが重要といえる。
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Research Products
(2 results)