2016 Fiscal Year Research-status Report
労働統合型社会的企業による過疎地域再生を促進するコミュニティワークの実証研究
Project/Area Number |
16K17285
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
橋川 健祐 関西学院大学, 人間福祉学部, 助教 (40632691)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 過疎地域 / 労働統合型社会的企業 / 社会福祉法人 / コミュニティワーク / 資源開発 / 事例研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
コミュニティワークの機能の一つともいえる「資源開発」に関して、牧里毎治の研究を中心とした先行研究を踏まえ、社会福祉における社会資源の捉え方と過疎地域再生を目指すうえでの資源の捉え方の違いに触れ、持続可能な資源開発の視点についての検討を行い、その成果を「過疎地域再生と地域福祉―資源開発に焦点を当てて―」と題し、論考を著書にまとめることができた。 就労継続支援A型事業所を日本における労働統合型社会的企業の一形態として措定し、同事業所が地域社会と関わりを持とうとする行為をコミュニティワーク実践の一部として位置付け、それらがA型事業所の経営的側面にどのように影響をするのかということの検討を通して、社会福祉の視点を統合したA型事業所の実践・活動の指標を再構成することを試みるため、質問紙調査結果の分析を行った。その結果、コミュニティワーク実践が直接的には組織マネジメントや利用者の変化にもたらす影響はあまり見られなかったものの、地域社会の変化を通して間接的に影響をもたらしていることを明らかにした。これらの成果を通して、これまで社会的企業研究では相反すると言われてきた社会的目的と経済的目的の両方を達成することが、コミュニティワーク実践を媒介として可能になるのではないかという示唆を得た。同成果は、日本地域福祉学会第30回記念大会自由研究発表にて報告を行った。 事例研究については、社会福祉法人よさのうみ福祉会におけるフィールドワークを継続し実施した。また、社会福祉法人一麦会を別の研究会でお招きし、キーパーソンとの関係づくりを行うことができた。社会福祉法人佛子園については、数ある法人事業所の中でも、過疎地域指定を受けている能登町にある日本海倶楽部への訪問調査を実施し、次年度に向けての本調査の基礎を築くことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していなかった出版企画への参画と学会発表等において研究成果の報告は行っているものの、初年度に予定していた、理論研究が十分でなく、事例研究における枠組みが十分に定まっていない状況にある。 また、研究成果の概要に記載した学会発表の内容をさらに精査し、査読論文に投稿したものの不採択となったことから、次年度改めて再投稿したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
理論研究を中心に事例研究の枠組みを固め直し、夏~秋に集中的に事例研究を進めたいと考えている。 また、その成果を、査読論文並びに紀要論文として投稿したいと考えている。
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Causes of Carryover |
当初、予定していた文具等の消耗品を次年度、購入することとしたため、未使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
必要消耗品の購入に充てることとする。
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Research Products
(4 results)