2019 Fiscal Year Annual Research Report
A study on the effect of school social work in terms of placement patterns
Project/Area Number |
16K17286
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
山口 倫子 島根大学, 学術研究院人間科学系, 助教 (30460637)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | スクールソーシャルワーク / スクールソーシャルワーカー / 配置型 / 派遣型 / 効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、配置型・派遣型それぞれのスクールソーシャルワーカー(以下、SSWerとする)が、どのように援助を行っているのか、そのプロセスについてインタビュー調査を行った。具体的には関西と九州において計6名のSSWerに対してインタビューを実施した。また、平成31年4月から7名のSSWerの正規雇用をはじめた福岡市教育委員会に対しても、スクールソーシャルワーカー活用事業開始から現在に至るまでの取り組み等についてインタビューを実施した。研究方法は定性的分析を用い現在も分析中であり、結果の公表にはまだ時間を要する。また他方で、継続して関西のSSWerと定期的に研究会を持ち、SSWerのスキルアップを図った。その中で今年度は臨床心理士との協働にも積極的に取り組んだ。一例を挙げると、SSWerが支援する子どもで発達に課題がありそうな子どもに対して、保護者の同意を得た上で病院等にかかることなく、SSWerが協働する心理士の協力を得て、WISC検査を実施したことである。結果、本人自身が自分の特性を知る機会となり、自己理解を深めることができた。また、支援者側にとっても、子どもの特性を知り、共有することでチームとして支援を展開していくことができた。何よりも発達検査が迅速に実施できることは、保護者のモチベーションを維持することができる。さらに、医療で発達検査を受けると何らかの診断名がついてしまい、保護者がそれを恐れたり懸念したりするが、そのような心配もない。つまり、治療や投薬の必要がない場合は、医療機関外での発達検査はたいへん有益であると言える。 本研究の成果は、配置型・派遣型それぞれに活動の構造が異なっていることを明らかにすることができた点にある。特に派遣型はソーシャルワークの過程においてモニタリングの実施にまで至らず、「限定されたソーシャルワーク」を実施していることが明らかとなった。
|
Research Products
(3 results)