2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K17294
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
一言 英文 京都大学, こころの未来研究センター, 特定助教 (80752641)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 文化 / 幸福感 / 感情 / 文化的自己観 / 協調的幸福感 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度中は、学生を対象とした調査を3カ国(日本、ポーランド、およびフィリピン)から収集した。ポーランドについては、研究計画後半に当たる社会人を対象とした調査まで実施完了した。これらに並行し、以下の発表実績を積んだ。 Northern Arizona UniversityのMeliksah Demir准教授の依頼により、2017年出版のClose Relationships and Happinessという英文図書の一章、“Interdependent happiness: Progress and implications”を執筆した。 国際学会の口頭発表として、名古屋に開催されたInternational Association for Cross-Cultural Psychology 2016のシンポジウムにて、“The interdependence of happiness: Its measurement validity and concept application”と題して行った。 国外の大学での招待講演と招待講義として、フィリピンのDe La Salle Universityの臨床教育心理学部Jose Alberto Reyes教授の招待を受け、同大学にて “Culture and Well-being -Understanding well-being in the interdependent socio-cultural context-”(招待講演と招待講義で同じ題名)と題して行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、平成28年度は国際調査によるデータ収集のみを想定していたが、3カ国(日本、ポーランド、およびフィリピン)の学生データに加え、ポーランドでは研究協力者の助成を応用して計画を前倒しした社会人調査を実施することができた。また、当初の計画では2年度になると考えていた発信について、この初年度にアメリカからの英文図書章の執筆依頼と、フィリピンからの招待講演があり、初年度から出版物や講演という形での発信も行うことができた。さらに、研究協力者の尽力もあり、フィリピンでは節約的に学生調査を進めることができたことなどもあり、日本国内の社会人を対象とした地域差研究において、尺度の妥当性研究を方法論的に拡充する社会行動調査を準備することができた。これらにより、当初の計画以上に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、日本人学生のデータ収集の残りを集め、日米の社会人を対象としたデータ収集(このためのオンライン調査システムと調査票は作成済)を夏までに実施する。また、自身が2年度の初めに安定財源による就職先へ異動できたため、初年度の所属先で開始した社会行動研究のデータ収集を、研究アドバイザーである京都大学の内田由紀子准教授のご協力により遠隔で行う計画である。さらに、最終年度となる2年度後半は、論文出版を念頭においた誌上の発信に専念する。そのためにも、残りのデータ収集を早々に完了させ、できるだけ早期に分析と執筆に入る所存である。
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