2019 Fiscal Year Annual Research Report
Impact of intergroup contact on reconciliation among people who experienced violent intergroup conflict
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16K17303
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Research Institution | Japan International Cooperation Agency (Research Institute) |
Principal Investigator |
大貫 真友子 独立行政法人国際協力機構(研究所), 研究所, 研究員 (60771912)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 集団間接触 / 紛争 / 融和 / 平和構築 / ルワンダ / 除隊兵士 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は収集したデータの分析、執筆、および学会発表を行った。
研究成果の概要: フィールドラボ実験では、従来のラボ実験を、できる限り現地の文脈に合わせて実施することで、技能訓練中に、どのような対人心理プロセスを経て、紛争の加害者・被害者関係にあったと思われる異なる集団に属する受益者らに融和効果をもたらし得たかを検証した。プロジェクトと受益者の性質に精通している専門員、現地スタッフ、カウンターパートらなどへの聞き取り、および事前調査(フォーカスグループ、インタビュー、プレテスト)で得た情報をもとに、接触仮設(Alport, 1945)および個人化モデル(Miller, 2002)を適応した実験介入を行った。従属変数においては、自己集団ひいきの軽減を「融和」の一現象として定義し、行動経済学の原理を一部取り入れた、チーム選択を指標とした。結果、一部の集団間では個人的対話も効果的だが、一部の集団間ではむしろタスクにフォーカスした非個人的対話のほうが、融和をもたらすことが明らかになった。(5分動画による研究結果概要(英語):https://youtu.be/2zTr7vRVaWg) サーベイ調査データを用いたインパクト評価においては、従来に比べて、多岐にわたる受益者の経済的、社会的、心理的側面を対象としており、融和にまつわる指標(集団間差別など)においては、複数の手法を用いて測定することで、どのように効果の見え方が違うか示している。全体的に、経済的効果においては一貫してインパクトが検出された一方で、社会・心理的効果においては統計的に有意とされる信頼度の高いインパクトが少なかった。融和に関しては、調査手法によって異なる効果量が検出された。本研究によって、プロジェクトの評価結果だけでなく、直接的に測定することの難しい事象を対象としたインパクト評価の実施や解釈の在り方について、議論と理解が深まることを願う。
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Research Products
(7 results)