2018 Fiscal Year Research-status Report
マルチメソッドアプローチによる学級の社会的目標の研究
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16K17304
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大谷 和大 北海道大学, 教育学研究院, 助教 (20609680)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 学級 / 社会性 / 心理的リアクタンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年は、前年度までの学級経営における教師の言葉かけの観察結果の分析と、それを踏まえ、児童に対して規範をどのように伝えるのが心理的リアクタンスを発生させないのかについて実験を行った。観察結果としては、学級での規範の提示について、教師は提案表現、強制表現を主に用いていた。さらに、それらについて「~しよう」、「~しない」など接近回避のフレーミングがあることも示された。 これらを基に架空の教師が規範を提示する5コマ程度のマンガを刺激として作成した。具体的には、提案・勧誘(~しよう)と強制(~しなさい)の2種類、さらに接近的表現と回避的表現の表現方法2種類を掛け合わせた4場面を作成した。実験は、児童174名に対して、教師が規範を提示する場面を示し、それについて心理的リアクタンスと目標共有の意図を評定させるものであった。実験は、場面(提案・勧誘場面、強制場面)については、参加者間要因、接近と回避は、参加者内要因であった 結果は、提案・勧誘場面では、接近表現が回避表現よりもリアクタンスと目標共有を低めるというものであった。一方、強制場面では、回避表現が接近表現よりもリアクタンスを低めていた。これらについて、参加者内計画の媒介分析を行ったところ、提案・勧誘場面では、接近表現がリアクタンスを低めることで、目標を共有することが示された。一方、強制場面では、回避表現がリアクタンスを低めることで、目標共有することが示された。同じ目標でも接近と回避の表現によって効果が異なることが示された。現在、国際誌投稿に向け執筆中である。 さらに、東北地方の教員を対象に教師用の調査も実施した。教師用の社会的目標構造尺度を作成し、因子構造を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していたデータを無事に取り終えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本年度に作成した尺度を用い、教師用のweb調査を実施する。そこで学級経営の自己効力感などとの関係を検証する。
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Causes of Carryover |
助成期間の1年延長が認可された。web調査と論文の国際誌への投稿を予定している。
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