2016 Fiscal Year Research-status Report
読書量が多いのに言語力が伸びないのはなぜか:縦断調査・介入実験による検討
Project/Area Number |
16K17307
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
猪原 敬介 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 特別研究員 (10733967)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 読書 / 小学校 / 中学校 / 縦断調査 / 言語力 |
Outline of Annual Research Achievements |
読書が言語力を伸ばすという知見は科学的エビデンスによって徐々に確かさを増してきているが,現実には「読書量は多いのに,言語力が伸びない児童」が少なからず存在している。本研究の目的は,公立の小中一貫学校との共同研究により,全校規模の縦断調査を行い,言語力向上を抑制する原因と,それぞれの原因に対する効果的な介入法を明らかにすることである。 縦断調査について,2016年8月,および,2017年2月に2度の調査をすでに行った。2月の調査では,小学校1校が追加された。2つの学校の事情に合わせた言語力テストや質問紙の作成を行い,3月には両校へのフィードバック(個々の生徒の成績を視覚的に示す)を行った。これらの調査により,両校との信頼関係を構築し,縦断調査への足がかりとした。 研究会・学会発表を精力的に行い,論文投稿のために有益な議論を行った。2016年度は,研究会発表1件,国内学会発表3件,国際学会発表を1件行った。また,「読書が文章理解に与える影響に関する研究」をテーマに学会から授賞を受けた(第4回野島久雄賞,日本認知科学会,2016年9月17日)。さらに,研究についての取材(博報児童教育振興会. (2016). 研究紹介ファイル vol.2「読書を科学する」 File No.5 猪原敬介氏)も受けるなど,研究の進捗・評価ともに順調である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた調査計画が予定通り進んでいるため。調査校は1校増えており,今のところ,打ち切りという話にはなっていない。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,協力校との関係を緊密に保ち,縦断調査を遂行していく。
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Causes of Carryover |
出張旅費等がやや安く収まったため,次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
それほど大きな額ではないので,予定通り進めていく。
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Research Products
(6 results)