2018 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of emotion regulation strategies on mental health among children and adolescents with high-functioning autism spectrum disorder
Project/Area Number |
16K17310
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
村山 恭朗 神戸学院大学, 心理学部, 准教授 (00728785)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 情動調整 / 抑うつ症状 / 自閉スペクトラム症 / 児童生徒 |
Outline of Annual Research Achievements |
【調査協力者】関東地域にある放課後等デイサービス施設に登録する小学4年生から中学3年生54名(男子43名,女子11名)が本調査に参加した。 【調査材料】ASD特性を評定するために,児童用AQ日本語版(若林他,2007)を用いた。本研究における内的整合性はα=.84であった。情動調整方略を評定するために,小学校高学年・中学生用情動調整尺度(村山他,2017)を用いた。本研究における内的整合性は問題解決α=.83,反すうα=81,気晴らしα=.69,認知的再評価α=.80であった。抑うつ症状の評定には,自己評価式尺度であるBirlson Depression Self-Rating Scale for Children(DSRS-C:村田他,1996)の短縮版(並川他,2011)を使用した。本研究における内的整合性は抑うつ気分α=.73,活動性および楽しみの減退α=.71であった。 【結果】抑うつ症状を基準変数,4つの情動調整方略およびデモグラフィック変数(性別と学年段階)を説明変数とする階層的重回帰分析を行った。第1ステップにはデモグラフィック変数,第2ステップには4つの情動調整方略を投入した。分析の結果,第2ステップにおいて,反すうおよび認知的再評価のみが有意な効果を示した(反すう:β=.459, p<.01,認知的再評価:β=-.332, p<.05)。この結果から,反すうが強い,もしくは認知的再評価の傾向が低い高機能ASD児ほど強い抑うつ症状を呈しやすいと示唆される。
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Research Products
(2 results)