2018 Fiscal Year Research-status Report
論証リテラシーの教育手法に関する実践的・実験的検討
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16K17313
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山形 伸二 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (60625193)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 批判的思考力 / 論証リテラシー |
Outline of Annual Research Achievements |
論証の論理構成を評価する能力は,現代社会にあふれる様々な言説を良き市民として適切に考慮し,自他の主張の根拠を客観的に把握し,生産的なコミュニケーションを可能にするための必須のスキル(知的インフラ)であり,特に大学が教養・一般教育において育成すべき能力として極めて重要である。本研究は,論証を扱う能力の個人差(=論証リテラシー)について定量的に測定し,その教育手法を検討する。 平成30年度は,前年度に引き続き、文献レビュー、および論証リテラシーテスト項目の開発を行った。反論の要素を含めた試験的な項目について研究協力者と検討を行い、課題を明確化した。非形式論理という明示的でない前提を含む推論課題において,反論という形式を取り入れつつ一意に正解を定めることの困難が明らかになった。また,反論を含む論証については論証のリテラシーと反論を行う際に必要となる知識とが密接に関連し分離することが困難であることから,論証リテラシーの測定にあたっては,本課題中においては反論の要素を含めないこととして測定項目の開発を行った。 一方で,反論を考慮した論証リテラシーの測定には,スキル・技能的側面に加え,確証バイアスを意識的に制御しようとする態度的側面の重要性が明らかになり,それらを含めた調査のための準備を行った。 論証リテラシー,批判的思考力に関する学会発表を4件行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年度後期より研究代表者が研究機関を異動したために,当初計画していた初年次学生への授業を利用した研究を行うことが不可能となった。
当初の計画通り、テスト項目の開発自体は進んでいる。WEB調査に重点を置き,引き続き研究成果を上げていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
WEB調査の実施により、論証リテラシーテストの統計的性質を検討する。研究成果の発表を行う。
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Causes of Carryover |
2018年度後期より研究代表者が研究機関を異動したことによる研究環境の変化のために,WEB調査実施の準備が2018年度内に十分に整わなかった。2019年度,WEB調査の実施を行う。
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Research Products
(5 results)