2017 Fiscal Year Research-status Report
大学生のチームワーク能力を向上させるトレーニングの有効性の多面的検証
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16K17319
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
太幡 直也 愛知学院大学, 総合政策学部, 准教授 (00553786)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | チームワーク能力 / 対人関係・行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、チームワーク能力の構成要素を踏まえ、大学生のチームワーク能力を向上させるトレーニングを開発した。その結果、トレーニング実施条件は非実施条件に比べ、チームワーク能力の五つの構成要素を自己評定する相川他(2012)の尺度について、前後の時期での得点の上昇が大きかったことを示した(太幡, 2016)。また、トレーニング実施から約9か月経過した後にも、チームワーク能力の構成要素の多くの尺度について、トレーニング実施条件は非実施条件に比べ、時間経過後の得点の上昇が大きかったことを報告した(太幡, 2017)。 本研究課題は、申請者が開発した大学生のチームワーク能力を向上させるトレーニングの有効性を多面的に示すことを目的としている。チームワーク能力は経済産業省が提唱する“社会人基礎力”に含まれる能力であるため、大学生のチームワーク能力をトレーニングにより向上させることができることを示すと、社会のニーズに適合した能力を有する学生を育成することに寄与する、社会的貢献性の高い知見を提供できると期待される。 平成29年度は、主に以下の2点について検証した。(1)平成28年度に引き続き、チームワーク能力が向上するプロセスを検証した。チームワーク能力の構成要素間の関連について、“コミュニケーション能力”がその他の能力の基盤となると仮定されている(相川他, 2012; Dickinson & McIntyre, 1997)。この仮定に基づき、トレーニングにおいて、チームワーク能力の構成要素の“コミュニケーション能力”の向上に伴って、他の構成要素も向上するか否かを検証した。(2)トレーニングによるスキルの変化と関連する要因について検証するため、感情的側面(トレーニングの楽しさ)、認知的側面(トレーニングの必要性)の評価と、スキルの変化との関連を検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の進捗状況を、3点に分けて説明する。すべての成果は、申請者が担当する2年次のゼミナール形式の授業(前期、後期の2回担当、それぞれ受講生は15名ほど)にて、申請者が開発した大学生のチームワーク能力を向上させるトレーニングを実施し、得られたデータを分析した結果に基づいている。 (1)平成28年度に引き続き、チームワーク能力が向上するプロセスを検証した。トレーニングを受けた学生に対し、トレーニング前(Time 1)、中(Time 2、“コミュニケーション能力”を高めるトレーニング終了後)、後(Time 3)の時期に、チームワーク能力の五つの構成要素を自己評定する相川他(2012)の尺度に回答するように求めた。分析では、Time 2でのTime 1からの“コミュニケーション能力”の向上と、その他の能力のTime 2でのTime 1からの向上、Time 3でのTime 2からの向上に関連がみられるか否かを検討した。平成28年度の結果は、平成29年度の学会にて発表した。平成29年度のデータについては、分析の準備を進めている。 (2)トレーニングによるスキルの変化と関連する要因を明らかにするため、トレーニングに対する感情的側面(トレーニングの楽しさ)、認知的側面(トレーニングの必要性)の評価と、スキルの変化との関連を検証した。分析では、トレーニングを受けた学生の、トレーニング前後の時期のチームワーク能力の五つの構成要素を自己評定する相川他(2012)の尺度の得点の変化と、トレーニングの評価に関連がみられるか否かを検討した。得られた結果は、平成29年度の学会にて発表した。 (3)大学生のチームワーク能力を向上させるトレーニングに関するこれまでの研究成果を論文化した。平成29年度は、1本の学術論文が公刊された。現在、1本の学術論文が投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度の研究の推進方策としては、(1)これまでの検証に関するデータの追加、(2)研究結果の公表、(3)トレーニングの有効性を多面的に示す方法の模索の、3点を予定している。以下、具体的に示す。 (1)これまでの検証に関するデータの追加:本研究課題のトレーニングは、申請者が担当する2年次のゼミナール形式の授業(前期、後期の2回担当、それぞれ受講生は15名ほど)で実施しているため、データ数が少ない。また、当該授業を受講した学生の特徴が結果に反映されている可能性も考えられる。そこで、平成30年度も、平成28年度、平成29年度と同様の調査を実施し、これまでの研究と同様の結果がみられるか否かを確認する。 (2)研究結果の公表:平成29年度に実施した研究の結果は、平成30年度の学会にて発表する。また、これまでの研究成果を学術論文にする予定である。 (3)トレーニングの有効性を多面的に示す方法の模索:これまでの研究では、トレーニングの有効性は、自己評定のみで検討されている。そこで、他者評定、行動指標といった客観的指標を用いて検証する方法を模索する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由としては、研究補助のための人件費、消耗品や図書等の物品の購入費、学会参加のための旅費が、予定額よりも大幅に下回ったことが挙げられる。 平成30年度は、研究実施のための消耗品、データ入力などのための人件費が必要となる。また、得られたデータを分析する際に使用する統計的分析に関する図書費が必要となる。さらに、昨年度の研究成果の公表や情報収集のための国内学会(日本心理学会、日本社会心理学会、日本教育心理学会を予定)、国際学会(Society for Personality and Social Psychologyを予定)への旅費、学会参加費が必要となる。
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Research Products
(4 results)