2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the relation between discrepancy of cognitive function test and temporal change of cognitive function
Project/Area Number |
16K17327
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
福榮 太郎 横浜国立大学, 障がい学生支援室, 准教授 (10638034)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 認知機能検査 / ディスクレパンシー / 予後予測 / COGNISTAT / MMSE / HDS-R / 認知症 / 軽度認知機能障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,認知機能検査の下位項目のディスクレパンシーと継時的変化との関連を検証し,予後予測が可能な包括的認知機能検査バッテリーの有効性を検討することを目的として検討を行ってきた。 最終年度においては,軽度認知機能障害(Mildcognitive Impairment:MCI)の継時的な変化について検討を行った。MCIの予後は,およそ5割がそのままの状態かもしくは回復を示し.5割は認知症に移行すると言われている。ただその中でも,Brodatyら(2013)が示すように認知機能の障害が複数の領域に見られる場合,その予後が悪いことが報告されている。これらのことをふまえ,第1回目検査時にMCIと判断された調査協力者が,1年後にどの程度の認知機能の低下を示し,第1回検査時の,どの項目が予後のリスクとなるかについてMini-Mental State Examination(MMSE),日本語版NeurobehavioralCognitive Status Examination(COGNISTAT),改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R),HDS-Rの各認知機能検査の下位項目を用い,検討を行った。 その結果,およそ68%の調査協力者に認知機能の低下が認められた。また二項ロジスティック回帰分析の結果から,COGNISTATの「類似」「判断」,HDS-Rの「視覚記憶」の低さが低下群となるリスクをあげ,COGNISTATの「注意」の低さがステイ群のリスクを挙げる結果となった。。この結果は,認知機能障害の領域が複数にまたがると予後が悪いといった先行研究と合致している可能性がある。また注意の低下は,うつなどにも見られ,そのため注意の低下が,ステイ群の可能性を高めたのではないかと推測される。
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