2017 Fiscal Year Research-status Report
発達障害のある外国籍児童生徒の保護者へのペアレント・トレーニングプログラム開発
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16K17330
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
野村 和代 常葉大学, 教育学部, 講師 (90610931)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 発達障害 / ペアレント・トレーニング / 特別な支援ニーズ / 保護者 / 在日外国人支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本における登録外国人は1980年代後半より大幅に増加し、法務省入局管理局において外国人登録法に基づき外国人登録をしている中長期在留者は平成24年末時点において165万6,514人、特別永住者数は38万1,645人であり、これは人口の1.61%に相当する。国際化の流れを受け、この傾向は強まっていくと考えられる。なかでも単身ではなく世帯での移住が多くみられ、長期滞在・移住を考えている世帯は少なくない(外国人集住都市会議,2012)。グローバル化が進む中で、日本で生活をする外国籍の子どもは増加している。彼らの中には、幼少期から発達の問題や学校などの社会不適応があるにも関わらず、十分な配慮や支援を受けられなかったり、保護者にしつけとして虐待行為を加えられる事例は少なくなく、その対応が大きな課題となっている(渡邊,2013;尾崎,2013)。 申請者はポルトガル語を母国語とする発達障害児童生徒とその保護者への介入方法として、ペアレント・トレーニング(以下PT)の教材開発と支援者養成プログラムを作成した。 ペアレント・トレーニングの普及のためには、ファシリテーターの養成が不可欠であり、学校教員や外国人対応の相談員・通訳、支援員として雇用されている日本語を話せる外国人に対し研修を行った。 回数を重ねるうちに、運営、保護者へのプログラム実施、ファシリテータ側の要因から生じる課題や問題が蓄積され、これらを整理し、対応方法を参照するためのマニュアルの整備の必要性や、補完するためのプログラムが必要となり、その開発を進めているところである。 今年度に明らかとなったのは、実施する曜日が出席率に大きく影響している可能性がみとめられた。受講者の教育歴は、日本人対象のPTの受講者に比べて多彩である可能性があり、提示する内容や文字数などについても再考の余地があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請者の異動のため、研究フィールドから遠くなり、打ち合わせや実践機会の確保が困難になったため。
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Strategy for Future Research Activity |
日曜日開催とすることで、出席率がどのように変化するかを検討し、提示する内容や文字数などについても再検討し、体験型のワークを多く盛り込むことで、参加者の動機づけを高め、プログラム理解の向上を目指す。
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Causes of Carryover |
申請者の異動により、研究活動がこれまでどおりに継続することが一時的に困難になったため。 また協力施設で受け入れられる対象者と本プログラムの対象のマッチングが難しく、合致する対象者はすでに受講済みであるため、参加者の募集を工夫する必要がある。他の市町村の行政機関にも働きかけ、参加者の募集を試みるとともに、協力施設の以外の会場での実施も検討している。
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