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2016 Fiscal Year Research-status Report

日常生活の反すうが概括化と無意図的想起に与える影響

Research Project

Project/Area Number 16K17342
Research InstitutionKanagawa University

Principal Investigator

雨宮 有里  神奈川大学, 人間科学部, 非常勤講師 (00625501)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2018-03-31
Keywords自伝的記憶 / 無意図的想起 / 意図的想起 / 概括化
Outline of Annual Research Achievements

自伝的記憶には思い出そうとして思い出す意図的想起と、過去の記憶がふと意識に浮かぶ無意図的想起の2つの想起形態がある。先行研究ではうつ病患者や抑うつ傾向者(病気と診断されていないが,気分の落ち込みが持続している人)は想起の障害が生じ、概括化(思い出そうとしても具体的な記憶を思い出せないこと)が生じやすいことが明らかになっている。また、嫌な出来事・感情を繰り返し考える反すうを行うと概括化が生じることも示されている。しかしながら、先行研究では抑うつ傾向者の「日常生活における反すうと概括化の関係」と「無意図的想起」の検討が十分に行われていない。そこで、本研究では1)抑うつ傾向者が反すうを行うと日常生活でも概括化が生じるか 2)抑うつ傾向者が反すうを行うと無意図的に想起された記憶の性質にどのような影響を与えるか(特に概括化が生じるか)を調べる。
なお、研究(2)を行うためには、抑うつが無意図的想起にどのような影響を与えているのか、特に無意図的想起でも概括化が生じているかを調べる必要がある。しかしながら、先行研究ではこの点が十分に検討されていない。そこで、非臨床群の抑うつ尺度として頻繁に用いられるSDSを使用し、集団実験で抑うつ傾向者は無意図的想起でも概括化が生じるかを検討した。同時に、手続きの妥当性を確認するために、意図的想起で概括化が生じるかについても検討を行った。分析の結果、両想起形態ともに概括化は生じなかった。意図的想起の先行研究では、抑うつ傾向者にも概括化が生じるという結果は再現性が確認されているため、本実験の手続きに何らかの問題があったと考えられる。
その他の活動として、経験サンプリング法で抑うつを調べたレビュー論文を作成し、査読付き論文として採択された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2016年度に行った実験で、抑うつ傾向者の意図的想起に概括化が生じなかった理由として、以下の2点が考えられる。1)抑うつ尺度として用いたSDSは、概括化が生じる抑うつ傾向者を弁別する尺度として適切ではなかったこと 2)呈示した単語が1語であったこと(通常、概括化の研究では感情語10語を用いる)である。そのため、今後の改善策として、SDSより重篤な抑うつ傾向者を弁別できるCES―Dを抑うつ尺度として用い、感情語10語を使用して再度実験を行う。

Strategy for Future Research Activity

前期に日常生活における反すうと概括化の関係を調べる。より具体的には経験サンプリング法を用いて、日常生活における反すう度と想起された意図的・無意図的想起の性質の関係、特に、両想起形態で概括化が生じるかを調べる。その際、あらかじCES―Dを用いたスクリーニングで抑うつ傾向(高・低)者を調べ、調査への参加を依頼する。
また、後期には反すうが無意図的想起の性質に与える影響について、感情語10語を使用した個別実験を行う。

Causes of Carryover

予備実験を行ったが、抑うつ度の測定としてSDSを使用したことにより高抑うつ者の数・抑うつ度が十分でなかったことにより予想通りの結果が得られなかった。そのため、非臨床群のスクリーニングとしてより受け入れられているCES-Dを用い、再度調査を行う。

Expenditure Plan for Carryover Budget

抑うつのスクリーニング試験であるCES-Dを購入し、これを用いて抑うつ度を測定する。そのうえで、カットオフ値を用いて高い抑うつ群・低抑うつ群それぞれ70名(計140名)を対象に日常生活で生じる反すうが自伝的記憶の概括化と無意図的に想起される記憶の性質に与える影響を検討する。研究手法として経験サンプリング法を用いるため、参加者謝金および調査補助者謝金、Web質問作成サービスSurvey MonKey使用費用、予約送信ソフトBoomerang for Gmail使用料が必要となる。

  • Research Products

    (1 results)

All 2016

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] 経験サンプリング法を用いたうつ病研究の展望 : その利点に着目して2016

    • Author(s)
      雨宮有里・高史明
    • Journal Title

      総合人間科学

      Volume: 4 Pages: 3-16

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2018-01-16  

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