2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the development of counseling skills training: refinement of microcounseling
Project/Area Number |
16K17348
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
河越 隼人 帝塚山大学, 心理学部, 准教授 (40631940)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | マイクロカウンセリング / いいかえ技法 / 感情の反映技法 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は,平成28年度および平成29年度の研究を踏襲し,マイクロカウンセリングで扱われる感情の反映技法を解説とモデリングによって大学生に習得させ,その習熟度の測定と,習熟度の差による援助効果の違いを検討した。 大学生26名を対象に,解説による訓練の後にモデリング訓練を受けた群(解説→モデリング群,12名),モデリング訓練の後に解説による訓練を受けた群(モデリング→解説群,14名)に分け,感情の反映技法を習得させた。各訓練の直後に,感情の反映技法の効果を体験するロールプレイを実施させ,クライエント役を演じた際にその技法にどの程度援助効果があったと思うかを評価させた。なお,カウンセラー役の技法の習熟度については,援助効果の評価後に,ロールプレイを共に実施したカウンセラー役とクライエント役で協議させ,10段階で評価させた。 結果について,まず,訓練による感情の反映技法の習熟度の違いを検討したところ,解説による訓練のみを受けた者よりもモデリング訓練のみを受けた者の習熟度がより高いと評価されていた。しかし,解説→モデリングという流れで訓練を受けた者と,モデリング→解説という流れで訓練を受けた者の最終的な習熟度の評定には差がみられなかった。次に,感情の反映技法の習熟度による援助効果の差を検討したところ,習熟度が高いと評価されたカウンセラー役がより援助的であるとクライエント役から評価されていた。 以上,カウンセリング技法の習熟度の高さが援助効果につながることが示され,そのことから訓練方法が重要であるといえる。そして,その訓練方法については,解説よりもモデリングの方がより高い効果を有するが,両訓練を受けることで効果は最も高くなるため,それぞれの訓練で相互に補完し合うことが最効率であることが示唆された。
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