2017 Fiscal Year Research-status Report
新自由主義改革下における公正な教育の配分ルールと配分システムの構築に関する研究
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16K17376
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
福島 賢二 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (90582164)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 教育 / 公正 / 配分 / 正義 / ケイパビリティ・アプローチ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、新自由主義(ネオリベラリズム)下における公正な教育の配分ルールと配分システムを構築することにある。目的を達成するための大きな課題は3点あるが、平成29年度はそのうち、28年度後半に着手した課題、「教育における公正な配分ルールと配分システムの構築」を引き続き行うとともに、いまひとつの研究課題である「能力の発揮を実現する教育条件の解明」について着手した。 「教育における公正な配分ルールと配分システムの構築」については、英米圏の政治哲学の進捗が極めて早く、情報が膨大なため、その情報について捕捉し、その情報収集を未だ行っている最中ではあるが、一定の方向性についての知見は得られた。知見のひとつは、配分ルールと配分システムを構築するうえで「教育における公正」をいかに定義にするか、そしてそこでいう公正がロールズのいう公正としての正義といかに重なり合うのかということについて一定の見通しがついたことにある。この成果は今年度中に学会誌等にまとめる予定である。また、ケイパビリティアプローチを配分論として語る際に、当人の主体性の情報をどのように取り入れるのかということについても一定の知見を得た。この成果も今年度中に学会誌等にまとめる予定である。 いまひとつの課題である「能力の発揮を実現する教育条件の解明」については、沖縄のフリースクール(珊瑚舎スコーレ)や公立及び自主夜間中学への観察・面接調査を行うことで、能力の発揮を実現する教育条件を解明する知見と材料を得た。この点についても成果として今年度中に学会誌等にまとめる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度は3つの課題のうち「教育における公正な配分ルールと配分システムの構築」に関する課題の成果をまとめる予定であったが、英米圏の政治哲学の進捗が極めて早く、情報が膨大なため、これをまとめるには至らなかったからである。またこの間、「教育における公正な配分ルールと配分システムの構築」に関する理論的情報の渉猟に作業時間を費やしてきたため、平成28年度の課題である新自由主義に関する政策分析に関する作業が進んでいないことにもよる。しかしながら、「能力の発揮を実現する教育条件の解明」という課題については、予定していたよりも多くの情報や材料を得ているため、その点では大きく遅れているのではなく「やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
「教育における公正な配分ルールと配分システムの構築」については一定の見通しはできているので、ひとまずそれを研究成果として今年度にまとめる予定である。停滞している新自由主義に関する政策分析に関する作業も、今年度に一定の成果をまとめられるよう作業を行っていく。「能力の発揮を実現する教育条件の解明」についての課題も、現時点での成果を今年度中にまとめるよう作業を行っていく。
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