2016 Fiscal Year Research-status Report
アメリカにおける教育改革の変容とテスト政策の展開―コモン・コアに焦点をあてて
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16K17380
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
市川 桂 東京農工大学, 大学教育センター, 特任助教 (60754546)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | スタンダード / 教育改革 / コモン・コア |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、次年度以降の実際に調査に向けた、文献収集と情報収集を主に行った。 文献収集に関しては、PISAやTIMSSといった、これまでの国際学力試験やNAEPという全米学力試験の結果を概観し、初等中等教育法であるNCLB法制定以後のスタンダード、学力テスト、成績不振校の改善における課題とオバマ政権の政策展開に関する研究およびコモン・コア・スタンダードに関係する実践事例の収集を中心とした研究活動を行った。特に、1990年代から現在までのカリフォルニア州の資料については、Education Resources Information Centerなどのインターネット文献検索サービスを利用しながら著書および論文を収集した。 本年度の調査によって、オバマ政権下のカリフォルニア州では、コア・ディストリクト(the California Office to Reform Education districts)という学区の連合体をつくり、これまでの行政枠組みを超えた協働を行うなかで、学力向上の指標に社会情緒的スキルを含めるという先進的な取り組みを行っていることを明らかにすることができた。オバマ政権からトランプ政権にかわる直前に成立した新しい初等中等教育法であるESSAについても、分析を進めることができた。しかし、具体的な事例などは、現地でなければ収集できない情報もあり、次年度は現地での調査が必要である。また、マサチューセッツ州、テネシー州、ワシントン州との比較研究もさらに進めていく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
関連する文献の収集および情報収集を通じて、平成28年度に設定した作業課題について概ね整理できている。しかし、収集した関連資料が十全とは言えないため、論文など一定の成果としてまとめるには至っていない。このことを踏まえて、当初の計画からはやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の残された課題を進めていくために、関連資料の収集活動を継続して行い、コモン・コア・スタンダードが策定された経緯および各州の実践事例をより明確に分析した上で、一定の成果として論文等にまとめていく予定である。
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Causes of Carryover |
2017年3月に開催された国際学会に参加するために旅費を計上したところ、平成28年度の予算残高よりも高額になり、前倒し使用の申請期限も過ぎていたため、平成29年度分の予算が使用できるまで立替払いをすることとなった。そのため、収支状況では約20万円が次年度使用額となっているが、実際は年度内で使用しているものである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2017年3月の国際学会参加のための旅費として、平成29年度予算と合わせて使用する。
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Research Products
(2 results)