2018 Fiscal Year Research-status Report
日本における「教師教育者」観と教師教育者が教育の倫理に果たす役割に関する研究
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16K17381
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Research Institution | Tsuru University |
Principal Investigator |
山辺 恵理子 都留文科大学, 文学部, 講師 (60612322)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 教師教育 / 教師教育者 / 倫理 / リフレクション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、①教員養成に携わる大学教員が「教師教育者(teacher educator)」として抱いている「教師教育者」観について調査を実施し、とりわけ「教育の倫理」に関する自らの役割についてどのように捉えているのかを分析・整理すること、および②国内の「教師教育者」の役割観と海外のそれとの相違を分析し、とりわけ「教育の倫理」に焦点を当てながら、日本における教師教育者観の特徴や課題を整理すること、を目的とした、 このテーマに従い、国内外の教師教育者への調査を実施し、海外では特にオランダ、デンマーク、アメリカ・ハワイ州の教師教育者観を分析した。結果、従来各国で教師教育者が担ってきた教科教育の枠を超える役割として、対話や省察を通して教師の価値観や倫理観を更新し続けるための働きかけを行うことに注目が集まっているという共通点が見つかった。対話と省察を通して教師自らが自分の倫理観を更新し続けられるようにしようという取り組みは、本研究の開始当初に想定していた教育の倫理についての定まった規定を作成する方略とは大きく異なるが、より民主的かつ効果的な方略である可能性があることから、これらの方略の分析に焦点を移した。 アメリカ・ハワイ大学ならびにオランダ・ユトレヒト大学の教師教育者が実施する、対話と省察を促す教師教育プログラムの一部に参加・見学する事で、その実態を視察し、日本の教員養成における適応可能性を分析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年度目は、本務校の業務量が予想を超えて増えたため、研究活動に遅れが生じた。その事を受け、国内の教師教育者へのヒアリング調査は簡略化せざるをなくなったが、1年度目の年度末以降から国外の教師教育者へのヒアリング調査を開始し、結果的に、当初の予定よりも多く実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでに収集した資料やデータをもとに研究成果をまとめる予定である。論文執筆、およびヒアリングの中で出てきた具体的なエピソードを一般化したケースの形にまとめ、教育の倫理に注目した教師教育の教材として使用できるようにする事を目指す。
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Causes of Carryover |
1年度目に研究活動に遅れが生じた関係で、2年間で研究計画を遂行することが叶わなかったため。
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Research Products
(4 results)