2019 Fiscal Year Annual Research Report
Research Study on the Impact of "Self-Improvement School System" on Schools in Modern England
Project/Area Number |
16K17382
|
Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
末松 裕基 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (10451692)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 自己改善型学校システム / イギリス / システムリーダーシップ / 教育経営 / 学校経営 |
Outline of Annual Research Achievements |
従来の国家主導を見直し、学校群によってスクールリーダーの研修や組織力の向上を図る取り組みは「自己改善型学校システム(self-improving school system)」と呼ばれており、学校や地域など、ローカルな課題に即した力量形成や学校間支援を重視している点で、学校現場には比較的歓迎されてきた。今年度は、研修など、本来、国や行政が担ってきた役割を学校が担うことが期待されている点に注目して、学校がシステム運営の責任を負うことで、各学校やリーダーにどのような期待が抱かれているかを考察した。その際、地方当局や国の支援体制のあり方にも着目して、学校間連携による組織力向上方策の実態をいくつかの事例に注目して検討を行った。具体的には、同改革の際に中心概念となるシステムリーダーシップ(system leadership)がどのように検証されているかに着目した。その際、英国教育リーダーシップ・経営学会(The British Educational Leadership Management and Administration Society:BELMAS)の学会誌『教育の経営とリーダーシップ(Educational Management Administration & Leadership:EMAL)』(年6回発行、2008年までは年4回)を主な分析対象とし、スクールリーダーシップ研究の主要関心とその変化の特徴に着目した。専門家主導のシステムへの移行が図れられているとして近年の教育政策がリーダーには好意的に受け止められている面もある一方で、政府から学校や地域への影響関係が従来以上に統制的になってきている点も明らかになった。システムリーダーが責任を負う学校現場の問題に実際にどれほど向き合えているかについてもさらに考察する必要があることも分かった。
|
Research Products
(1 results)