2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development and demonstration of a support tool for teacher to reflect on lesson that practice collaborative learning.
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16K17391
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
藤井 佑介 長崎大学, 教育学部, 准教授 (20710833)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ウェアラブルカメラ / 授業アーカイブシステム / 授業省察 / 授業分析 / 発話分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は協同学習を行った教師の省察を支援するツールの開発と実証である。2018年度は主に以下の2点に関する研究を行った。 まず、授業アーカイブシステムを活用した授業分析と省察に関する研究を行った。2017年度は質問紙による集団調査を中心としたが、2018年度はその成果を踏まえて授業分析と省察のやり方を改善し、5グループにICレコーダーを設置することで、実際の授業分析と省察場面の会話を記録した。また質問紙調査の結果、直立確率計算(両側検定)を行い、アーカイブを用いた省察が有効であることが明らかとなった。さらに、2要因参加者間評定を行った結果、「自身の振り返りに役立った」や「他の人の授業を見ることが参考になった」等のいくつかの項目に関して有意な差が見られた。また、発話記録においても2年生の授業検討場面においては、学年の違いを意識した発言等が多く見られた。これらのことから、協同学習を行った授業における省察の在り方に関する示唆を得ることができた。 次に、協同学習場面における教師の判断に関する研究を行った。複式学級において、どのように教師が意思決定を行っているかを把握するために、教師へウェアラブルカメラをつけて授業を行ってもらった。その記録映像と全体を捉えたビデオカメラの映像を照らし合わせ、再生刺激法を用いながら教師の判断を明らかにした。その結果、教師は特定の児童の学習進度によって意思決定を行っていること等が明らかとなった。ウェアラブルカメラを用いて省察を行うことの意義が見出された。 以上を踏まえて、研究期間全体では、即時評価システムの試作やアーカイブシステムの活用といったデジタルを用いた協同学習を教師が振り返るためのツールの開発を実現することができた。また、実証においては映像データでは情報量が多すぎること点が課題として取り上げられ、省察者に依存することも明らかとなった。
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Research Products
(3 results)