2016 Fiscal Year Research-status Report
近代日本における博物館機能の形成過程に関する実証的研究
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16K17402
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
高田 麻美 帝京科学大学, 生命環境学部, 助教 (30734545)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 教育博物館 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年度は、主に以下の三つについて取り組んできた。
第一は、日本の文部省教育博物館設立がモデルとした北米における二つの教育博物館―カナダのトロント教育博物館と米国連邦教育局教育博物館―の検討である。これまでに収集した両館関係資料を分析した結果、前者は「狭義の教育博物館」とされる一方、後者は「広義の教育博物館」であることが明らかになった。文部省教育博物館が「広義の教育博物館」であることをふまえると、同館のはトロント教育博物館のみならず、米国連邦教育局教育博物館もモデルにしたことが解明された。 第二に、上述した1点目の成果およびこれまでの研究成果を博士論文にまとめたことである。博士論文は名古屋大学大学院教育発達科学研究科に提出した。審査のうえ、博士(教育学)を授与された。 第三に、府県立教育博物館の成立過程の検討である。本年度は滋賀県に設置された教育博物館について検討するため、滋賀大学所蔵の滋賀県師範学校関係文書を調査し、関係箇所を複写・収集した。今回の調査と他地域の調査結果とを合わせて、研究計画書で示した「仮説」の妥当性を検証する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、主として国内調査の実施と博士論文の執筆を行なった。当初、海外での調査も予定していたが、2016年度には実施できなかった。しかしながら、次年度以降に予定していた国内調査を一部前倒しで実施したこと、さらに、その調査結果を含め、これまでの成果を博士論文にまとめることができた。これらをふまえ、研究成果を上記のように「おおむね順調に進展している」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度は、米国にて資料収集を行ない、博士論文の内容をさらに発展させていく予定である。
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Causes of Carryover |
当初海外調査を予定していたが、2016年度は博士論文の準備とそれに向けた国内調査を優先させたため、結果として次年度繰り越し金が生じてしまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2017年度は海外調査を行なう予定であるため、その費用に充てたい。
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Research Products
(1 results)