2018 Fiscal Year Research-status Report
近代日本における博物館機能の形成過程に関する実証的研究
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16K17402
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
高田 麻美 帝京科学大学, 教職センター, 助教 (30734545)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 教育博物館 / 学術講義 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度における当初の計画は、2017年度に収集・整理した資料をもとに、文部省教育博物館の成立過程と活動実態、府県立教育博物館の活動実態を検討するとともに、カナダにおいて資料調査を行なうというものであった。しかしながら、病気療養に伴い、研究活動を一時中断せざるを得なかったため、研究に遅れが生じた。
2018年度は、主に以下の二つについて取り組んだ。 第一は、文部省教育博物館における学術講義の展開を明らかにした点である。同館は学術講義という現職教育を実施しており、当時の東京府における現職教育システムを補完する役割を果たした。当時の財政難の影響をうけ、同館は学術講義を廃止するに至ったが、東京府は学術講義を引き継ぎ、現職教育の制度の中に組み込んだ。すなわち、文部省教育博物館の教育活動は博物館間で引き継がれるのみならず、自治体の教育政策に影響を与えうるものであることを明らかにした。これらの研究成果を全国地方教育史学会第41回大会において報告した。 第二は、府県立教育博物館に関しては、既に収集した資料の整理に着手した。また、滋賀と島根の事例に関する追加調査を行ない、基礎的な資料を収集した。今回の調査と他地域の調査結果とを合わせて、研究計画書で示した「仮説」の妥当性を検証する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
病気療養のため研究活動を一時中断せざるを得なかった。そのため研究計画から遅れが生じた。研究期間を一年間延長したため、当初の目的の遂行に励みたい。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、2018年度に予定していた調査を実施し、研究課題に関わる資料を収集していきたい。研究の成果は、研究成果報告書として刊行する予定である。
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Causes of Carryover |
加療のため研究活動を一時中断せざるを得なかった。当初予定していた国内外の調査を一部見送ったため、使用額に差額が生じた。
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