2021 Fiscal Year Annual Research Report
A Comparative Historical Study of the Development and Practices of the Early Childhood Educator training Curriculum between Japan and the United States
Project/Area Number |
16K17407
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Research Institution | Tokyo Seitoku College |
Principal Investigator |
永井 優美 東京成徳短期大学, その他部局等, 准教授 (30733547)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 保育者養成 / 幼児教育 / アメリカ幼児教育史 / 受容史 / キリスト教保育 / 幼児教育史 / 保育カリキュラム / 保育実践 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、戦前期における日米の保育者養成を事例として、アメリカの保育者養成カリキュラム開発と実践が日本のそれに対しいかなる影響を与えたかについて検討することで、日本の保育者養成の特質について解明することを目的とするものである。研究内容として(1)1890-1930年代のアメリカにおける保育者養成の動向を把握すること、(2)アメリカから日本へ伝達された教育情報を分析すること、(3)戦前日本における保育者養成の実態を解明することの3点を中心として研究を継続してきた。研究の最終年度において、具体的には以下の内容を検討・分析した。 19世紀末~20世紀初頭におけるアメリカの幼児教育および保育者養成に関する実態を検討した。アメリカ幼児教育の影響を強く受けていたことから、日本の保育界の実情を解明するためにはアメリカのそれをまず明らかにしていく必要がある。とりわけアメリカの進歩主義幼児教育の潮流の中で開発された幼小連携カリキュラムと保育者養成の関連性についてまとめた。アメリカでは幼稚園教育と小学校教育との関連が1900年代に強く意識され、幼稚園と小学校低学年の教員養成のためのコースができるなど、保育者養成における新たな価値観が浸透していった。そのような情報は日本にも移入していたが、幼小連携カリキュラム開発が一部の研究者や実践者に着目されたものの、一般に定着しなかったわが国では、アメリカのように幼小連携を視野に入れた教員養成については看過されてきたと言えよう。アメリカの幼小連携の教員養成についてさらに、本年はシカゴ大学のアリス・テンプルに関する調査も進めた。アリス・テンプルに関する研究は今後も継続的に行い、幼小連携と保育者の養成との関連性について本研究を土台として次なる研究を進展させていくことができると考える。
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