2018 Fiscal Year Research-status Report
海外移住する日本人家族の「スーパー・リッチ・フライト」と教育戦略に関する比較考察
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16K17411
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
五十嵐 洋己 千葉大学, 国際教養学部, 助教 (90768300)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | グローバルエスノグラフィー / リッチフライト / 教育移住 / 富裕層 / 社会階層 / 格差 / マレーシア / ハワイ |
Outline of Annual Research Achievements |
本調査は、アメリカのハワイやマレーシアのジョホールバル周辺に移住して欧米系の学校へ子どもを送る日本人富裕層家族 の教育戦略を質的に考察し、格差社会と呼ばれる中でグローバルな社会階層において教育達成と地位形成を行っている仮説を検証することを目的としている。 本年度は国内での学会発表(日本教育社会学会)を1回行い(トロントで実施される世界社会学会に参加予定であったが家庭の事情でキャンセルした)、本研究の内容に関連する2本の論文の執筆に取り組んだ。成果は4点である。 第1に、昨年度に引き続き、移住者だけでなく駐在員の家族へのインタビューを実施した。駐在員家族へのインタビューを通じて、移住者の特徴がより明確になった。 第2に、学会発表を通じて、家族の移住動機と教育戦略のパターンについて有益なコメントをもらうことができた。 第3に、論文執筆の過程で「移動格差」についてより深い考察が必要となるという考えに至った。特に、海外では近年「国際移動」、「不平等」、「社会階層」の領域交錯についての論文が注目されているため、最終年度はこれらの論文を参照しながら「移動格差」の概念の精緻化をすすめていきたい。 第4に、執筆活動を通じて「多様なグローバル型能力」と「グローバル・コンピテンシー」という概念が本研究の中心概念になりうるという感触を得た。既存のグローバル化における能力観の議論に照らし合わせながらこれらの概念を使ったデータの分析を行いたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は当初最終年度の予定であったが、前述の3点目と4点目の概念の精緻化の必要性と、引き続き教育移住する家族のデータ収集が必要であることから補助事業期間の延長を申請した。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる31年度は、本研究のまとめとして少なくとも海外ワークショップで1回、国内の学会で1回発表し、本論文に関する2-3本の論文執筆を執筆したい。また、この研究発表と論文執筆作業を通して、2年後の本の出版へと結びつけていきたい。
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Causes of Carryover |
本年度は国際学会出席をキャンセルしてしまったことから、繰越額が大きくなってしまった。来年度は、インタビューの継続に伴うデータ起こしと、必要があれば最終データ収集のためのハワイまたはマレーシアへの調査に経費を使いたい。
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Research Products
(1 results)