2019 Fiscal Year Annual Research Report
A sociological study on transition from vocational school to work
Project/Area Number |
16K17417
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
片山 悠樹 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (40509882)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 職業教育 / 能力形成 / 移行 / 専門学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
主な研究成果は、次のとおりである。 1つ目は、職業に関する能力形成である。特定の職業と密接に結びつく専門学校の教育において、学生たちはいかにして能力を獲得しているのかを明らかにした。なかでも特徴的だったのは、工業系専門学校の能力形成である。そこでは、修理技能といった「ハードスキル」だけでなく、コミュニケーション能力やマナーといった「ソフトスキル」が獲得されていた。そうした「ソフトスキル」は抽象的なものではなく、顧客との関係という具体的な文脈に置かれ、就業するうえで不可欠なものとして学生たちから認識されていた。 2つ目は、専門学校生の移行プロセスである。これまでの「学校から職業への移行」研究は、高校/大学からの移行に関心が集中してきた。そうしたなか、本研究では、専門学校生の入学から卒業後1年目までを追跡することで(アンケート調査/インタビュー調査)、移行のプロセスを解明するためのデータを整備してきた。専門学校からの移行プロセスは、高校や大学からの移行と共通する部分はあるものの、いくつか際立った特徴が観察された。 3つ目は、「標準的」でない移行パターンである。専門学校の移行パターンは日本型雇用慣行を前提としたアプローチでは説明できない部分が多く、従来の研究で「標準」と想定されてきたものとは異なるパターンが存在する。本研究において、その典型であったのが、美容系専門学校からの移行である。そこでは、独立(起業)志向をもつ若者がいくつか観察された。つまり、企業組織に就職し、そこで働き続けるのではなく、企業組織で一定期間働き、その後、起業を目指すという移行パターンである。もちろんこうしたパターンは全体からみれば少数ではあるものの、これまでの移行研究のあり方を再考するうえで必要な視点を提供してくれる。 以上、専門学校生の能力形成/移行プロセス/起業志向が本研究が主だった成果である。
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