2016 Fiscal Year Research-status Report
日系ブラジル人の地位達成に関するネットワークと動員資源に関する研究
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16K17421
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 晃輔 大阪大学, 人間科学研究科, 招へい研究員 (30710222)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 教育社会学 / 多文化教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、グローバリゼーションを背景として国際移動を行う日系ブラジル人のトランスナショナルなネットワーク資源を検討することにある。日系ブラジル人が、ネットワーク資源を活用することでいかなる地位達成を遂げてきたのか、遂げようとするのかを明らかにする。 平成28年度はサンパウロ州とパラナ州を中心に14名への聞き取り調査を実施した。実施計画の通り、2家族を抽出し、ブラジルに移動した日本人移民を起点とした3世代に聞き取りを行った。また、都市部における聞き取り(4名)も平行して行った。 これまでの先行研究が指摘してきたように、移民の社会階層によって「教育」のもつ意味や機能には違いがある。調査では、「教育」のもつ意味や機能の違いに、個人が有するネットワーク資源が影響を与えていることが見られた。移民ゆえにかぎられた資源を動員せざるを得ない。教育投資を行うにしても「どこに」「どのように」という問題がある。こうした個人の選択にネットワーク資源が好影響(ときには悪影響)を与えている。 また、国際移動を後押しする要素として、教育や経済に加えて、トランスナショナルメディアの影響もみえてきた。旧来手紙や新聞といったメディアがブラジルと日本をつなぐメディアであったが、現在はこれをインターネットが代替している。こうした世代の違いやメディアの違いが、移動する人びとの教育や将来展望に強い影響を与えていることが理解できた。 これらの研究・調査活動に加えて、日本移民に関する基礎資料の整理についても進めた。併せて、日本移民に関する研究会も実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は世代を越えての聞き取りが最大の難関であると思われたが、今年度は2家庭の聞き取りを行うことが出来た。部分的ながら、次年度以降にも継続的に調査ができるような土台作りもできた。昨年度に設定した研究予定を消化できたこともあり、ほぼ順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は(1)2016年度の調査をさらに発展させることを目指す。世帯調査も親類等に広げていくことを目指す。(2)調査のアウトプットを行うために学会発表を行う。(3)日本では日系ブラジル人のデカセギ研究が中心となっている。他方で、ブラジル日本移民についてはあまり注目されていない。こうした点を鑑みブラジル日本移民に関する研究会や発表等を行う。
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