2017 Fiscal Year Annual Research Report
The Study of Social Processes to Acquire Academic Skills in the Transition from Pre-School to Elementary Schoolhonk
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16K17422
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前馬 優策 大阪大学, 人間科学研究科, 講師 (00632738)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 学力 / 小1プロブレム / 幼小接続 / 小中移行期 / 学校適応 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、公立小学校の1年生のクラスを対象に週1回のフィールドワークを実施した。前年度には隣接する幼稚園でフィールドワークを行っていたが、そこから10人の児童が進学してきている。フィールドワークの方針としては、この10人の学校生活への適応、および、学力・学習状況を把握することを中心に、ほかの1年生の児童が学校生活や学習で抱える困難や学力形成の契機になるような事例の把握に努めた。 入学当初の1年生にとっては、学校の生活リズムにスムーズに乗れるかどうかが重要である。幼稚園時は活動のスタートが「グレー」に始まることも多かったが、小学校では時間がきっちり区切られることが多い。追跡対象児の中には、家庭の事情で遅刻がちな児童もいた。結果的に毎朝行われるモジュール学習に取り組むことはほとんどできていなかった。また、幼稚園時に不登園だった児童は、集団に向けられた指示をすぐには理解できないことが多々見られた。時間をかければ追いつくことはできるが、その間に他の児童はどんどん先に進んでいた。時期を追うごとにそうした学習上の遅れは解消されていった。また、学校生活のリズムに乗るためには、持ち物がそろっているかも重要であった。 ただ、生じた「遅れ」は、放課後や休み時間の補充学習によって、量的にも質的にもリカバリーがなされていた。また、学級活動としての「学習」を考える際には、人間関係が与える影響も見過ごせない。たとえば、引っ込み思案だった児童が、周囲と話をするようになり、学習に意欲的になっていった様子は典型的である。 学習に「遅れ」がちな児童は、自信を得る機会が極端に少なくなる。その意味で、特にに小学校移行期には自信を持つことが学習の姿勢にも大きく影響を与えると言えるだろう。
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Research Products
(2 results)