2016 Fiscal Year Research-status Report
中国の中等教育におけるグローバル教員の資質・能力に関する実証的研究
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16K17428
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
小野寺 香 奈良女子大学, アドミッションセンター, 准教授 (60708353)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 中国 / 教員 |
Outline of Annual Research Achievements |
中国では、受験対応のための暗記型教育から生徒個人の全面的発達を促す素質教育を目指した教育改革が行われており、その鍵として教員の資質向上が位置づけられている。教員の資質向上に関して、中国政府は「改革開放」時代の1980年代以降、特に1990年代から本格的に教員に関する法整備に力を注いできた。それによって、例えば教員の資格を学歴と連動させながら明確に定め、職階制を設けることで教員の資質向上に努めてきた。また、師範系大学・専科学校に閉鎖されていた教員養成を「開放」し、同時に教員養成課程の質保証も求められるようになってきている。 本研究は、このように教員の資質向上が課題とされている中国に焦点を当て、特に高等学校の教員に求められる資質・能力について検討を行った。その方法は、とりわけ教員評価に関する政策文書の検討である。中国では、もともと教員の資質向上は1980年代以降の重要な政策課題であったが、その一環として教員評価制度が大胆に、徹底的に導入されてきた経緯がある。その評価項目をみると、概ね教授面、研究面、成果面、職務倫理面、の四つに分類されており、その具体的な評価基準は各学校が設けていることが確認された。四つのうち、研究面に関しては、生徒の全面的発達を促すための素質教育を適切に実践するためにも必要であると考えられている。今後は各学校が設定している具体的な評価項目をより詳細に分析することによって、教員に求められる資質をさらに浮き彫りにできると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
中国の高等学校の教員に求めらる資質・能力について、教員評価に関する政策文書を分析することによって明らかにした。具体的な教員評価項目は各学校が設定していることが確認されたので、次年度の現地調査を通じて、それらに関する資料収集を行う予定である。その分析を行うことによって、教員に求められる資質・能力をより具体的に浮き彫りにしていく。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度においては、政策文書の分析によって、中国の高等学校の教員に求められる資質能力を分析することができた。一方で、具体的な教員評価項目は各学校が設定していることから、それに関する資料を収集し、考察を加えることでより詳細な分析が可能になることも確認された。今後は、現地調査から得られた情報を分析し、グローバル化が進展するなかで中国の高等学校の教員にいかなる資質が求められているのかを明らかにしたい。
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Causes of Carryover |
購入予定であったノートパソコンの生産が一時的に中止となり、購入することができなくなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
購入予定であったパソコンが再生産され次第、購入する予定である。
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