2016 Fiscal Year Research-status Report
開発途上国における数学科授業研究の内省的発展に関する研究
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16K17432
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| Research Institution | Hokkaido University of Education |
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Principal Investigator |
石井 洋 北海道教育大学, 教育学部, 講師 (50734034)
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2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | アセスメント・リテラシー / 授業研究 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
まず、教師の評価力がこれまで顕在化してこなかった背景について、教育評価のもつ「価値判断としての評価」と「問題解決としての評価」という二つの側面に着目して考察し、これまでの教育評価は「価値判断としての評価」が一般的であり、その妥当性や信頼性を保持するため、客観性が求められ、どの教師が評価しても同様の結果となることが要請されていた点について指摘した。教師のアセスメント・リテラシーの理論的枠組みの構築にあたっては、これまでの枠組みにおいて、教授的力量における「生徒についての知識」に限定して論じられていた点を示し、単にそれだけではなく教科内容や教授方法の知識と相互に関連した複合的知識として捉える必要性を明らかにし、それらは常に評価の価値との往還によって行われているため、それを反映する形で枠組みの構築を行った。
そして、そのアセスメント・リテラシーの調査枠組みに基づいて、ザンビア授業研究における授業改善の実態や教師の授業観の変容を捉えた。従来型の授業研究では、教師たちの課題意識が一般的な教授法に偏っており、生徒の実態はもとより教科内容や教材についての発言がほとんどなされていなかったが、アセスメント・リテラシーに焦点を当てて進めた授業研究では、教授法のみならず、教科内容(分数の内容)や教材についての発言にまで広がっていた点が確認された。指導案作成時に生徒の実態把握を通して気づいた点を踏まえながら授業を設計していたことも確認され、評価を導入し、教師のアセスメント・リテラシーを刺激したことによって、生徒の意味理解を意識した授業観の変容が同定された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初は、理論的考察までを行い、調査の分析については２９年度以降に行う予定であったが、既に着手しており、考察に十分な時間をかけられる状況になっている。
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| Strategy for Future Research Activity |
国際教育協力における大局的な授業改善の方向性について、当該国の文脈性を意識した授業研究のあり方を考察していく。また、授業研究導入にあたっては、日本の授業研究において通常議論にならないことでも、他国の文脈との差異を意識して進めていく必要があるため、その具体的な提案についての考察を深める。
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