2016 Fiscal Year Research-status Report
コンピテンシーを基盤とするドイツ科学カリキュラムの編成原理の解明研究
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16K17440
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
遠藤 優介 愛知教育大学, 教育学部, 助教 (80759051)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 教育学 / 科学教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
「コンピテンシー」のような能力概念を中核に据え、それに基づくカリキュラム改革を展開する動きが、昨今世界的な潮流をなしている。そのような中で、理科をはじめ各教科におけるカリキュラム編成の在り方が、様々に模索されている。 本研究は、我が国におけるコンピテンシー概念を導入した理科カリキュラム編成を展望し、すでにその具現化を達成したドイツにおける科学カリキュラム編成の全体像を構造的に解明することを目的としている。具体的な下位目的としては、第一に、ドイツ各州において編成された種々の科学カリキュラムについて、教育目標の設定や教授内容の選択・配列に着目し、コンピテンシー育成の観点からその特質を体系的に明らかにすること、第二に、科学系教科のコンピテンシーモデルの開発動向を探り、それを踏まえてコンピテンシーモデルを開発する際に考慮しなければならない視点や条件を明らかにすること、第三に、開発された科学系教科のコンピテンシーモデルから科学カリキュラムを編成する際の具体的方途・プロセスを明らかにすること、である。 平成28年度は、主として第一の下位目的の達成に向け、とりわけ各州で編成された後期中等教育段階の科学カリキュラムを幅広く収集し、教育目標の設定、および教授内容の選択・配列に係る箇所に焦点を当てて、コンピテンシー育成の観点からその特質の分析を進めた。また、関連文献の精査を通して、そうした科学カリキュラム編成の基盤となる議論を整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は、ドイツ各州の科学カリキュラムの収集、分析および特質の体系化を中心に研究を進める計画を立てていた。これらについては、若干収集しきれていない資料があるものの、ほぼ当初の計画に沿って遂行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度以降は、まず科学カリキュラム編成と密接な関連がある科学系教科のコンピテンシーモデルについて、その内実や開発の実態を調査するとともに、コンピテンシーモデルを開発する際に考慮すべき視点や条件を見いだす。さらに、それら科学系教科のコンピテンシーモデルから、実際の科学カリキュラムを編成する際の具体的な手続き・プロセスを調査する。これらを通して、コンピテンシー指向の科学カリキュラム編成の原理について、総合的に考察する。
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Causes of Carryover |
研究を遂行する中で得られた科学カリキュラムの分析結果について、ドイツ教育学者および理科教育学者との意見交換を行うことを予定していたが、分析対象とする科学カリキュラムの数が想定よりも多く、まずはその分析を優先させる必要があると判断したため。それにより、旅費の使用額が当初の計画よりも少なくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度は、前年度の研究遂行状況を踏まえ、これまでに得られた科学カリキュラム分析の結果について、関連領域の研究者との意見交換を計画している。また、当該年度は、コンピテンシーモデル関連文献の収集、並びに現地研究者へのインタビュー調査や資料入手のためのドイツへの渡航、これらに係る諸費用の使用を計画している。
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