2018 Fiscal Year Research-status Report
大学におけるピア・サポート活動がもつキャリア形成を支援する機能に関する研究
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16K17446
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
宮橋 小百合 和歌山大学, 教育学部, 准教授 (80461375)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 大学教育 / キャリア教育 / 学生のピア関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの成果である、本研究の基礎的な部分について初年次教育学会の研究大会にて自由研究発表を実施し、フロアと協議を行うことで今後の研究の方向性についても検討する予定であった。その内容は、学生がピア・リーダーとして大学における初年次教育で1年生のサポートを行う活動が、1年生の学習、リーダー学生の学習に影響するだけでなく、大学教育実践として見たときに、教員からの指導だけでなく、教員にも影響するような働きをもつ可能性があることを示した。そのような働きは、単なる教員の補助や教員の代用としての機能にとどまらず、リーダーとして授業に参加することによって、教員やその授業に対して意見を伝えたり、授業そのものを客観視する視点を獲得することにつながっていることも明らかとなった。大学における初年次教育の実践という限られた状況ではあるが、大学教育実践の中で、相互行為的に学習している主体の1つとしてピアリーダーが役割を果たしていることについての報告であった。 しかし、H30年9月5・6日(於酪農学園大学)の初年次教育学会での自由研究発表が、9月4日の台風21号による関西空港の被害および6日早朝の北海道地震によって大会中止となってしまい、一応発表を実施したことにはなったが、フロアとの協議の機会を失ってしまった。そのため、今年は、この内容を踏まえつつこれまでの成果を学会にて発表することで、フロアからの意見を受け、今後の研究の方向性について検討したい。 また、当初の調査予定者6名のうち、3名についてインタビュー調査を実施できたため、ピア・リーダーを経験した卒業生がその後5~6年を経て、どのようにキャリア形成を行っているのかについて、詳細が明らかになってきた。このインタビュー調査から得られた知見は、2019年度の学会発表で発表したいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来であれば、2018年度中に4~5名のインタビューを終え、成果を報告する予定であったが、当初の計画よりも卒業生とのアポイントメント、および予定の調整に想定よりも時間がかかったため、インタビューできたのが3名にとどまり、実施が遅れている。加えて、勤務校での担当業務が増加したことにより、当初の計画通りに研究が進められなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、当初の計画にある残りの2名の卒業生にインタビュー調査を実施できるように手配を進めている。また、全員分のインタビュー調査の結果を分析し、その成果を学会で報告する予定である。
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Causes of Carryover |
2018年度は研究者が所属する和歌山大学教職大学院が、開設後初の認証評価を受ける年であり、その担当者として資料の準備や打ち合わせ等の業務に追われたため、当初予定のインタビュー調査をすべて実施できなかった。また2018年9月5・6日(於酪農学園大学)の初年次教育学会での自由研究発表が、9月4日の台風21号の被害および6日早朝の北海道地震によって大会中止となり、研究の基礎的な部分となる発表内容について、協議・検討する機会を失ってしまった。 今年度は、残りのインタビュー調査を実施し、その分析結果を学会で報告する予定である。
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Research Products
(3 results)